みなさんこんにちは。それでは待ちに待った後編です。
色んな選手が登場するよ!
シーズン前の紹介はこちらから。
前編はこちらから
MF
ジョルジーニョ 7.0
昨シーズンは恩師サッリのもとアンカーの絶対的スタメンとして出場。今季はそこからは解き放たれ、アンカーのみならず2ボランチの一角でも活躍。お隣のコバチッチとは高い次元で同じイメージを描けているようでパスとドリブルを組み合わせて攻撃を組み立てる一方、未来予知で相手のアタックも食い止めている。
ランパード政権ではカンテやらコバチッチやらがわずかながら優遇されているように感じるが、最後方の足元がアレなせいで気を利かせたビルドアップをしてくれるジョルジーニョがいないと悲惨なことになっている試合も多々。
まあ身体能力的なところで後手を踏む場面がそれなりにあるので、スタメン最激戦区の中盤で控えにしたくなる気持ちとか、ベンチに強めのカードを置いておきたいのもわかる
なおアーセナル戦ではイエローカードを取り消させる超人的プレーを披露。ついにルールまで組み立てられるようになった。
エンゴロ・カンテ 7.0
カンテちゃんでお馴染みの我らがカンテちゃん。今シーズンはケガもあり序盤戦は出遅れたが、中盤戦以降はだいたいスタメン。たぶん一番代えが効かない(とランパードは思っているはず)
相も変わらずのボール奪取能力とスタミナで守備を牽引。そこからの展開には若干難があるが、そこから先はほかの選手の仕事でしょう。また我が軍特有の足元受けたがり癖も無く、相手DFラインの裏に走るプレーで得点もあげている。こんな仕事までこなしてくれるのは本当にありがたいし、これは攻撃力をつけてくれた前監督のおかげでもある。
最近はデブライネゾーンからクロスを上げる形も見せているが、未だに得点には結びつかず。というかチームとして基本的に右サイドからのクロスがあんまり点にならないのはなんでなんだろう。
定期的にPSGとレアルマドリードの噂が出るが本人は素知らぬ顔。
ロス・バークリー 5.0
PSMで大活躍を見せ「この輝きが剥製でないことを信じたい」と思っていたら剥製でした。開幕当初こそ出場機会を得ていたものの、インパクトのないパフォーマンスに終始。ケガでメンバー外になるとそこからはベンチとベンチ外を行ったり来たりの日々。
IHが得意でないのは1年前に確認したものの今季はトップ下を置く布陣もなくはないので、彼の居場所は(ポジション上は)あるはず。ファーストチョイスがマウントで過密日程の中で途中出場もないのはいよいよヤバいかも。
なおナイトクラブで裸になって遊んでいるところをすっぱ抜かれたのが今シーズン一番印象に残ったプレーである。
ルベン・ロフタス・チーク -
だんだん回復してるっぽい。待ってるよー
マテオ・コバチッチ 7.5
序盤戦ではMOM級の試合を連発し完全移籍の喜びを体現した。卓越していたドリブルにさらに磨きがかかり、ヌルヌルスルスル敵陣を破壊。ジョルジーニョともハイレベルな連携を見せ(たまにやらかしていたが)、パスでも見せ場を多く作った。
そして何よりも得点力がついたのである。これまでなにをどうしても得点が取れなかった男にゴールが来たのである。どう考えてもMFながら毎シーズン二桁得点をあげ、クラブ最多ゴール記録を持つレジェンドの監督就任と無関係ではあるまい。
スーパーフランクランパードのコバチッチ魔改造計画により謎のミドルシュートを決めだすようになり、さらには得意のドリブルで突破してからのシュートと、オリジナル武器も開発するようになった。まだまだ洗練されてはいないものの、「コバチッチがシュートを打つ」という事実だけでサポーターは嬉しいのだ。
元々すごかったのがさらに一皮むけた印象。後半戦はあと9点だ。
メイソン・マウント 6.5
ランパード秘蔵っ子は序盤戦からスタメンを掴み主力として活躍。新生チェルシーの初得点を奪ったのがマウントである。イケメンである。
ここまでMF最多の5Gを奪い、IH、トップ下、ウイングとして起用される。まあいろんなところで使える選手だけれど見た感じ真ん中の方が適正かなあ。同じくユース上がりのエイブラハムとの好連携も今のチェルシーを支える屋台骨。
序盤戦はアグレッシブな姿勢で高評価を受けたものの、次第に消える時間やら何やらが指摘されるようになったり。それもここ最近は改善されているので、今後はハイパフォーマンスでボールに絡み続けることと判断力が課題かな。というかマウントに限らず、使えば使うほど伸びていく若手たちを見ているの非常に楽しい。
なおクールな外見に似合わず性格は熱く闘争心むき出し型である。ちなみにユース出身のせいかロンドンダービーにさらに異常に気合が入りパフォーマンスが5割増しになる。
ビリー・ギルモア -
こちらもユース出身の18歳。てかもう平気で2000年生まれが絡んでくる時代になったんですね・・・。
シェフィールドU戦でデビューするが出場後失点し追いつかれてしまったので、なんだか後味の悪い感じに。それ以降はほとんど出番がなくユースで奮闘している(らしい)
まだまだ体も細いので今後継続的に絡めるかは不明。ただドリブル、パス、守備とMFに必要な物を極めた先輩がたくさんいるので学んでください。
FW
ペドロ・ロドリゲス 5.0
うーん。一気に出番が減ってしまったペドロおじさん。アグレッシブにプレスを仕掛け速攻を決めていく今のチーム事情だと、スピードやクイックネスが全盛期からかけはなれてしまっている今のペドロだと厳しいのだろうなあという印象。
またなぜか途中出場が昨季からすさまじく苦手になっており、試合に入れないまま終わることが多いのでそこも使いづらい一因なのだろう。
技術やら裏抜けの意識やらはうちのMF陣の中でも高い方だと思うんだけれど。後述するウィリアンをどうしても外せないうえに、同じ能力だったら若いマウント、オドイ、プリシッチを使いたくなってしまうのは世の監督の常だろう。
今冬やら来夏には出ていく可能性がかなり高め。毎年それなりに点は取ってくれていたので今季も何点か見せてほしい。
ウィリアン 7.5
「全自動ロストマシーン」、「セルフジャッジやめろ」、「オーバーリアクションするなら戻れ」などと散々の言われようだったウィリニキは今季完全にチームの中核に。個人的に前半戦のMVPである。
一気に若手ばかりになってしまったチームで責任感が芽生えたのか、軽いプレーはなくなり、自分だろうと誰だろうと奪われたボールに猛スプリントで戻る姿はまさに若手の模範。(厳密には昨季途中から守備意識に関しては高まっていたのですが)相変わらず苦境の時に最も頼りになる男である。
今季からは背番号10を大エースだったアザールから引き継ぎ。絶対的エースとして得点源であった前任者とは違った10番像を見せ、チームを牽引している。序盤戦こそ出番がなかったが、中盤戦にかけて完全にポジションをつかんだ。30歳を超えたが、縦にちぎるドリブルは健在で、さらに今季はそこに合わせるエイブラハムというCFも見つかり、攻撃面でも躍動している。
ただ諸悪の根源である「30歳以上単年契約制度」のせいで契約延長交渉が停滞しているらしい。毎年恒例バルセロナとハイジャックの張本人モウリーニョ率いるトッテナムが熱視線。サポーターから嫌われてるチームに好かれるようだ。
クリスティアン・プリシッチ 6.5
昨冬確保していたおかげで加われた新戦力。なじむのに時間がかかるよねと言われながら、しっかり時間がかかった。期待値込みのスタメンからベンチへと降格し、一時期は「冬に移籍か」などという見出しのインタビュー記事も掲載された。
まあ実際に読むと「今は大変だけど頑張る!」という記事内容で、徐々に途中出場でも結果が出るように。中盤戦開始で再度スタメンをつかむと、移籍後初ゴールを含むハットトリックで自身の地位とサポーターの心(とアメリカ市場)を完全につかんだ。
前半戦の終わりころには若干調子を落としたが、アザールを彷彿とさせるようなドリブルを披露。左では使えないとは何だったのか。あとはフィニッシュの精度だぞ。
まああと完全に推測ではあるがドルトムント時代チームメイトだったバチュアイがいるのも大きいんだろう。そういえばそんなプリシッチを追いやったサンチョの獲得のうわさも出ているが・・?
カラム・ハドソン=オドイ 6.5
昨季終盤にアキレス腱をやってしまい、開幕には間に合わず。それでも第7節でスカッドに戻ってきて、元気な姿を見せた。
復帰後は得意のドリブルとクロスでアシストを量産。そこまで精度が高いボールを送っていた覚えはないのだが、受けた選手の決定力が倍増する謎のエンハンスをかけた。プリシッチ定着以降は60分前後のオドイへの交代がランパードの十八番となった。
ただプレースタイル故かロストする回数も多く、また得点がとにかく取れない英国産ヴィニシウスなのでサポーターからの評価はかなり辛辣なものも多い。実際にそれは割と事実なので何とも言えないが、年齢や今シーズンへの入り方を考えると及第点以上の出来ではないだろうか。期待値がかなり悪い意味で上がってしまっているのは否めず、そのポテンシャルは素晴らしいが、まだ「育てる」段階の選手であることも忘れてはならず、過度な責任を負わせるべきではない、というのが筆者の個人的見解である。
継続的な出場機会があれば化けそうな素材。あーバイエルン1年レンタルして返してくれねえかなあ。
オリヴィエ・ジルー 5.0
今季はジルーがスタメンかな!と思っていた予想は大きく外れました。昨季EL決勝での活躍とか実績を考慮すれば明らかに№1で少なくとも出場機会はあるかなーと思ってましたが、あまりにも早くタミーがなじんだことやチームの標榜するサッカーに向いていないことでなんと3番手に。スタメンを張るフランス代表でEUROに出るため、今冬での放出の可能性が高そう。
一番大きかったのは得点力とか機動力とかではなくて、「実はジルーよりエイブラハムの方がポストプレーがうまかった」という点で、彼を起用してできることのほとんどがエイブラハムでまかなえてしまうのがあまりにもこのチームで生き残っていくには痛すぎた。
ただエイブラハムの完成度が異常(ひょっとしてジルーがポストプレー教えてる?)なだけであってほしいチームは絶対にある。頑張ってほしい。
タミー・エイブラハム 8.0
昨シーズンチームの総得点の半分に絡み、15得点をあげたエデン・アザール。彼の放出に加え、万年CFに難を抱えていたチェルシーにとって絶望的に点が取れないシーズンが予想されたが、ふたを開けてみればなんのその。覚醒したユース出身の若武者が早くも二桁得点を奪うのであった。たくさん見てきたけど実は幼馴染が一番でしたラブコメ的展開である。
これまで2部では結果を残しながらも、1部ビッククラブは初挑戦。期待よりも不安の方が大きかったが、今や大エースに成長した。第3節で初ゴールを含む2ゴールを挙げると、第5節にはハットトリック。当時のチーム歴代最年少記録を樹立した。なお不運だったのはそのわずか42日後にプリシッチに塗り替えられたことだろう。
得点力のみならず、守備意識やポストプレーなど90分にわたって貢献ができる点も決して洗練された戦いをしているわけではないチーム(洗練されていないのは主に最終ラインの主にズマの主にビルドアップ)を支えている。
ビッグマッチで点が取れないなどと言われていたが2019年最後にアーセナルからゲット。よくわかっている。
ミシー・バチュアイ 6.0
アヤックス戦のゴールだけでもう及第点あげちゃっていいのでは。いろんな意味で彼が2ndチョイスになるとは思わなかったが、基本的に途中出場でシュートを1本くらい打つ。
相変わらず決定力は非常に残念なのだが、前半戦のターニングポイントの一つとなったアウェーでのアヤックス戦で決勝点を奪う、またも驚異的な強運を強敵相手に披露し、チェルシーのGS突破に大きく貢献した。
ただ絶対に入らない反転左足ボレーやポストプレーのミスや途中出場のくせになぜかジョギングする姿を見ているとさすがに彼が控えというのはちょっと無理かなあと。70分からガブリエル・ジェズスが出てきたりラカゼットを投入したりする他チームを見るとため息をつきたくなる。
とはいえ本人はやる気があるようなので第3FWとしてデンババ枠としてなら最適な気がする。CLのビッグマッチの85分くらいから出ればきっと大仕事をしてくれるはずだ。
監督
フランク・ランパード 7.5
補強禁止・エースの移籍・主力CBの退団・オーナーの入国不可とサッカー史上稀に見る惨状で監督を引き受けてくれたレジェンドはやっぱりレジェンドだった。恐らくどの監督も引き受けてくれない状況の中で火中の栗を拾ってくれただけでなく、プレミアリーグ4位、ClはGS突破と結果もしっかりと残している。
若手主体にいきなり世代交代したチームにおいて、やはり以前からその背中を見てきた20そこそこの青きプレーヤーには大きなモチベーションになっていることは間違いない。仮にペップ・グアルディオラやクロップが現チェルシーの監督になったとしてもできない大きな仕事をしている。
ただランパードと選手による、いわば現場の奮戦でこの結果が出ているにすぎず、マンパワーに頼るその場しのぎの例年通りの姿勢は決して健全とは言えない。せっかく強制的に改革が始まったのだからそれを継続していくことが大事なんですよ、油さん。
はまったからと盲目的に3バックを使い続けたり、ひかれた相手に対してのアイデアを欠いたりランパード自身にもまだまだ欠点はあるが、ランパードだってわずか「2年目」のキャリアである。共に学んでいこうではないか。せっかく補強も解禁になったのでフロントはルールの範囲内で最高のサポートをお願いしたい。
あとFKとかばれない程度に蹴ってほしい。
最後に
いかがだったでしょうか。全体的に採点が高め?という感じですかね。まあチームはこの苦境の中で結果が出ていますし、(ライバルが軒並みコケているとうのはありますが)前半戦はまずまず、いや「良い」といっていい出来だったのではないでしょうか。
シーズン終了時にもこんな感じでやりたいのですがその頃にも「良い」といえるような後半戦になるといいですね。
それではまた
~おしまい~
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