はじめに
暗黒期を支えた選手は報われてほしいものである。
得点者
チェルシー 2-1 クリスタル・パレス
得点:前半13分 ミハイロ・ムドリク 後半44分ノニ・マドゥエケ(チェルシー)/前半46分 ミカエル・オリーセ(クリスタル・パレス)
試合前
低調な内容で前節を落としたチェルシー。
唯一の希望は復帰したクリストファー・エンクンク。
果敢な飛び込みでチェルシー初ゴールを奪い、わずかな希望を見せた。
年末特有の連戦を迎えるプレミアリーグ。
ターンオーバーを行うチェルシーはそのエンクンクが初スタメンを飾る。
パレス戦ではさらにサプライズ。
攻撃的な位置にイアン・マートセンを起用。
PSMで好調だった布陣を採用し、ホームでの勝利を目指す。
対するパレスは老将ホジソンが指揮を取る。
チェルシーの下部組織出身のマーク・グエイも先発に名を連ねた。
試合内容
試合の入りを掴んだのはクリスタルパレス。
チアゴシウバを欠くチェルシーの拙いビルドアップにプレスを仕掛ける。
対するチェルシーは10番と18番が魅せる。
決定的なラストパスからイアン・マートセンがシュートを放つが、すんでのところでクリアをされた。
アシストはつかなかったムドリクだが、13分に今度は自らの右足。
グストのターンから相手のミスもありエンクンクに繋がると、ボールは再びグストの元へ。
足を止めなかった右SBが左から折り返すとムドリクが合わせ、大きな先制点を奪った。
そのムドリクは21分にも決定機を迎えるが、ここはパレスの守護神、ヘンダーソンが何とか防いだ。
前節はキレのなかったジャクソンもエンクンクと連携を見せ、最後はエンクンクに好機が訪れるがシュートまでは打ちきれず。
好機を逃したチェルシーは流れに乗り切れない。
逆にパレスは何度か中盤でいい奪いを見せ、不安定な守備陣を狙う。
前半をリードで終えたかったチェルシーだが、苦手のセットプレーから失点してしまう。
一度はエリアから遠ざけたもののはっきりした対応を取れず、前半ATにオリーセに叩き込まれる。
緩さが連続で出た代償は重く、同点でHTを迎えた
後半も拙いビルドアップからピンチを招くチェルシー。
押し気味のパレスを打開すべく、チアゴシウバとロメオ・ラヴィアを投入。
ラヴィアはこれがチェルシーデビューとなった。
前節同様、後半は中々スピードが上がらないホームチーム。
停滞を打破すべく、ノニ・マドゥエケとアルマンド・ブロヤを連続投入。
そのマドゥエケが果敢な突破を見せると、直後にはジャクソンに決定機が訪れるがシュートを枠に飛ばせない。
そのジャクソンはすぐにゴールを揺らすが、今度はオフサイドの判定。
流れを掴むことができない。
チェルシーは2トップを起点にしたいところだが、なかなか収まらない。
それでもこの試合随一のプレーを続けるグストがチームを支え続けると、CKの流れからマドゥエケがPKを奪取。
大仕事をしたマドゥエケがこのPKをしっかりと決め切り、90分目前でチェルシーが前に出る。
オリーセを中心に同点弾を狙うパレスだが、途中から左に入ったグストが同点弾のオリーセを封殺。
最後は若手DFのアルフィ・ギルクリストを投入し守り抜いたチェルシーが、年内最後のホームゲームを勝利で飾った。
選手採点
GK
ジョルジェ・ペトロビッチ 6.5
1失点は喫したものの、それ以外では堅実なセービングが光る。
足元もどちらかといえばセーフティなプレーだが、大きなミスなくこなした。
特にカウンターやミドルレンジからシュートを浴びることが多いチェルシーにおいて、手堅いセービングができる点は評価したい。
サンチェス不在をそれほど感じさせることなく戦えているのは彼のおかげ。
DF
ブノワ・バディアシル 5.0
まだ体調が悪いのか、持っているものからすると物足りない出来。
強靭なマテタのフィジカルに押され、起点を何度も作られてしまった。
失点のシーンも彼のパスミス絡みであり、やや軽率なプレーが勝った印象。
チアゴ・シウバ投入以後は落ち着いたので、もしかすると年長者が隣にいないとだめかも知れない。
アクセル・ディサシ 5.0
ビルドアップに苦戦し、パレスの狙い所に。
正確には的確な球出しができないため、ディサシからのキックは捨てられ、ディサシからのパスの相手を狙われる展開に。
自身の判断もまずく、何度か不用意な失い方をすることも。
モナココンビは厳し目の採点に。
レヴィ・コルウィル 5.5
この日も左SB起用。
対面のオリーセに苦戦し、左からの攻撃を止めきれず。
マテタにつられ、同点弾を許してしまった。
時たま鋭いフィードを繰り出すが、やはりCBに置きたいなあが本音。
慣れないポジションで奮闘はしているが、、、
マロ・グスト 7.5
対人守備能力の高さは折り紙付きだったが、この日はさらに磨きがかかっていた。
加えてこれまで課題だった攻撃面でも1アシストを記録するなど、攻守において満点の出来。
運動量、足元、判断の全てがキレており、途中から左SBに移ってもその輝きは変わらず。
RJの事を忘れさせる見事な活躍ぶりは文句なしのMOMで、今節の勝利の立役者だ。
MF
モイセス・カイセド 6.5
やや疲れが見えたか、小さなミスは少しあったものの、それでも中盤で存在感を発揮。
ギャラガーとのコンビは鉄板で、二人で中盤の運動量を担保している。
途中からはラヴィアとコンビを組むことになったが、初出場のプレーヤーとも呼吸を合わせ、うまくサポートした。
そろそろ連戦のダメージが来ないか心配である。
コナー・ギャラガー 6.5
売却候補と言われていることが理解できない活躍ぶり。
中盤から前線まであらゆる場所に顔を出し、1点もののスルーパスも見せる。
最終盤は時間を見ながらのプレー選択もできるようになり、徐々に余裕が出てきたか。
ギャラガーの丈夫な体に頼り切りのチェルシーではあるが、なぜ放出容認なのか理解不能である。
クリストファー・エンクンク 6.5
自らもゴールに迫ることはもちろん、攻撃のリンクマンとして見事なプレーを披露。
彼の存在で周りのスピードも明らかに一段上がっており、ジャクソンやムドリクがいきいきと走り回れた。
先制点のシーンも瞬時の判断から起点となり、復帰間もないながら、早くもチームの攻撃の中心になっている。
とはいえ決定機にシュートを撃ちきれなかったり、後半途中から息切れ模様など、コンディションはこれからか。
万全にフルタイム見られる日が楽しみである。
FW
ミハイロ・ムドリク 7.0
徐々に存在感を増すNo.10。
この日は開始から攻守ともによく走り、隣のエンクンクと息のあったプレー。
先制点のシーンもスペースへの走り込みから中央でのフィニッシュと、幅のある動きで大きな得点を奪った。
エンクンクの好影響を最も近くで受けたか、周りとの連携で躍動を見せた。
まだボールロストも多いが、持っているものを十全に発揮するシーンが増えてきており、プレーの最低点も上がっている印象だ。
イアン・マートセン 6.0
PSM同様、前線の高い位置で起用される。
右のWGに近い位置から、前向きのときは積極的なミドルなど存在感は見せた。
一方でまだフィジカルや技術の部分では不足部分のほうが目立ってしまう。
もう10kg暗い体重を増やしてほしい。
ニコラス・ジャクソン 5.5
PSMと同じメンバーだったことが奏功したか、直近の試合では最もいい出来だったのでは。
収まりもよく、対面のアンデルセンをなぎ倒して前進する力強いプレーも。
それだけに決定的な1vs1を外してしまったのは悔やまれるところ。
今日の動きを続けていればチームにとって少なくとも大きなマイナスにはならないので使い続けては行きたい。
ただやはりわかりやすい結果がほしい。
交代選手
チアゴ・シウバ 6.0
有休消化かと思いきや後半途中出場。
ディサシで詰まっていたビルドアップを改善させ、アシスト級の対角フィードを2本繰り出す。
一つ危ないシーンもあったが、リードしたチームをしっかりと引き締める。
如実に改善した組み立てはその存在をの大きさそのものである。
ロメオ・ラヴィア 5.5
押し込まれた状況を打破すべく投入される。
簡単ではないチェルシーデビューとなったが、なんとかやるべきことは完遂したか。
まだ周囲との連携はこれからだが、大きな一歩を踏み出した。
アルマンド・ブロヤ 5.5
何度かチャンスは訪れたものの、得点には繋がらず。
周りとの連携も乏しく、不要なロストも散見された。
本来であればもっとやれる選手のはずだが、まだ戻ってきていないのか。
ノニ・マドゥエケ 7.0
値千金のPKを奪取。
自身でしっかりと決め切り、大きな勝ち越しゴールを奪った。
決勝点はもちろんのこと、推進力のある突破でチームとスタジアムのボルテージを上げた点も高く評価したい。
起爆剤としての役割をしっかりと果たし、存在を強くアピール。
アルフィ・ギルクリスト -
監督
マウリシオ・ポチェッティーノ 6.0
ターンオーバーを敢行し、勇気を持った采配。
チアゴ・シウバの投入など、後半の手詰まりを打開するための策はそれなりに打っていたのではないか。
結果途中出場のマドゥエケが決勝点を奪うなど、指揮官の判断が当たった形に。
ラヴィアやギルクリストなど若手も積極的に投入した点も勇気ある采配の一つと言えるだろう。
終わりに
徐々に戦力が戻ってきたかもしれない?
年内はあと1試合、気持ちよく年を越したいものです。
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