はじめに
新年を気持ちよく迎えたい。
得点者
ルートン 2-3 チェルシー
得点:後半35分 ロス・バークリー、後半42分 イライジャ・アデバイヨ(ルートン)/前半12分、後半25分 コール・パーマー、前半37分 ノニ・マドゥエケ(チェルシー)
試合前
前節を劇的な逆転勝利で飾ったチェルシー。
2023年最後のホーム戦を勝利で締めくくり、12月30日に年内最終戦をルートンのホームで行った。
今節からプレミアリーグは折返し。
ルートンとの1巡目はホームで3-0と圧倒し、ポチェッティーノ体制で初勝利をあげた試合である。
そこから数ヶ月を経て再び相まみえることになったわけだが、今季こそはという姿を見せたチェルシーは昨季同様の醜態を、ルートンも下馬評通り低迷している。
ただし落ち着かないチェルシーに対し、ルートンはやや上り調子。
ニューカッスル、シェフィールド・ユナイテッドと2連勝。
降格圏を抜けるためにあと少しのところまで迫ってきた。
もちろんチェルシーも連食を飾りたい。
注目のスタメン。
チェルシーは前回対戦時に躍動したスターリングをベンチに置き、 ニコラス・ジャクソンとアルマンド・ブロヤの2人のCFを起用。
エンソ・フェルナンデスはベンチに帰ってきているが、前節デビューのロメオ・ラビアは再び負傷。
そして劇的な決勝PKを獲得したノニ・マドゥエケが先発に抜擢された。
対するルートンは、違いを見せるロス・バークリーが前回同様スタメンで対峙する。
試合内容
開始から前に出るルートンに対し、チェルシーはブロヤの収まりを生かし抗戦。
前を向いたマドゥエケの仕掛けからギャラガーが右を振るが、これはカミンスキーの好セーブに阻まれる。
その後もコール・パーマーがミドルを放つなど積極的な入りを見せると、先制点は意外な形から。
パーマーのスルーパスに抜け出したジャクソンのシュートは再びカミンスキーが防ぐも、こぼれ球を繋ごうとしたルートンのパスをパーマーがカット。
エリア内で訪れたチャンスボールに迷いなく左足を振り抜くと、これがゴール右隅に突き刺さる。
相手のミスを抜け目なく突いた。
ルートンはロス・バークリーが直接FKを狙うが、これは枠を外れ難を逃れた。
勇気あるプレスを続けるルートンに対し、ジャクソンーコルウィルの左のラインで打開を図るチェルシー。
突破した際はチャンスになるが、繋がらないことも増え、徐々にペースがホームチームに傾き出す。
タウンゼントが再三のクロスでチャンスを演出するが、守備意識の高さも見せるマドゥエケが自陣深くまで戻って対応。
悪い流れを振り払ったのは前節劇的なゴールを生んだウインガー。
自陣からカイセド、コルウィル、パーマーとリズム良くつなぐと、ボールを受けたのはマドゥエケ。
やや詰まったかに見えたが、利き足の逆である右を強振。
これがニア上に突き刺さり、チェルシーに大きな追加点が生まれる。
その後は時間をうまく使いながら前半を2-0で終えた。
後半は選手交代を交えて前への圧力を強めるルートン。
サイドからのクロスやセットプレーを繰り出すが、チアゴ・シウバやGKのペトロビッチが落ち着いた対応。
ビルドアップでは前節好プレーのマロ・グストが今節も躍動感を見せる。
クリストファー・エンクンクを投入したチェルシーは、そのエンクンクをトップで起用するが、ルートンペースは相変わらず。
嫌な流れを断ち切ったのは再び、コール・パーマー。
上手く前を向いたジャクソンのスルーパスに抜け出すとGKを巧みな足技で突破。
スライディングに来るDFも嘲笑うかのようなフェイントでゴールに流し込み、大きな3点目を奪った。
ここで気が緩んだか、猛攻のルートンが反撃の狼煙。
1本目はオフサイド、2本目はクロスバーに助けられるが、3本目は許されず。
古巣対戦のバークリーがセットプレーからコースをついたヘディングを決める。
再び課題を露呈したチェルシーと追い上げムードのルートン。
故障明けのエンソ・フェルナンデスを中盤に加えるも流れを変えるには至らない。
何度もクロスから危ういシーンを作られると、ペトロビッチの好セーブも虚しくモリスが追加点。
一気にボルテージが上がったケニスワースロード。
全く余裕のなくなったチェルシーはアルフィー・ギルクリスト投入で逃げ切りを図る。
最後はそのギルクリストが見事な守備を見せたところで何とかタイムアップのホイッスル。
薄氷の勝利で、チェルシーが2023年を勝点3で締めくくった。
選手採点
GK
ジョルジェ・ペトロビッチ 7.0
前半は全く仕事がなかったが、後半途中から大忙しの展開に。
クロスを多用するチームに対し、クロス対応が下手なDF陣。
何度も決定的なシュートを浴びたが、自身のセーブやクロスバーで何とか2点に留めた。
DF全員に課題の残る試合運びにはなったものの、決定機を防いだ点は高く評価したい。
DF
チアゴ・シウバ 6.0
クロス攻勢に対し、特に後半は納得いかない表情が続く。
それもそのはず、あまりにも脆い対応に、御大がギリギリで間に合わせるシーンがあまりにも多い。
チームとしての守備ができていないのは明白であるが、それでも個々の質が不足している部分は大きい。
アクセル・ディサシ 5.5
危険なスルーパスをカットしたり、3点目の起点になるなど随所で良いシーンはあった。
ただそれを覆い隠すような判断や技術、マークのミスが目立ってしまう。
空中戦に期待をされているはずが、気づけば相手に離されていることもしばしば。
いつまでこの展開が続くのか…
レヴィ・コルウィル 5.5
左SBで奮闘し、慣れないジャクソンとのコンビでも懸命に組み立て。
有効な突破になり2点目に繋がったシーンは良かったが、それ以外では苦戦していた印象。
対人対応も「CBがサイドに出ている時の対応」感がすごい。まあ当然だが。
人員不足はやむを得ないが、割を食っている印象も否めない。
マロ・グスト 6.0
好プレーを見せた前節に引き続き、今節も好調を継続。
集中した対人の守備に加え、進化している攻撃面でも積極的なプレーを披露。
CF人がもう少し頼り甲斐があればといったところか。
RJが仮に帰ってきても、このままグストの継続も考えられるレベル。
MF
モイセス・カイセド 6.5
中盤の刈り取り役として高い水準のプレー。
出る部分と引く部分の判断が良く、ミスは一回あったくらい。
ただ後ろがアレなので、一回のミスが致命的になりがち。
十八番の足元を的確に攫うタックルに加え、密集をドリブルで突破するなど意外性のあるプレーも。
コナー・ギャラガー 5.5
トッテナム移籍の噂もあったゲームキャプテン。
さすがにこの扱いで移籍はないだろうと思いたい。
オープニングシュートを放つなど入りは良かったが、削られた影響もあったのか次第にトーンダウン。
まあ怪我せずに出てくれるだけでありがたいのだが。
コール・パーマー 7.5
老獪な1点目、華麗な2点目と、頭脳と技術の高さを存分に見せつける。
取るべきところでしっかりと仕留め切るあたりはマンチェスターシティ産らしい容赦のなさ。
やはりそうでなくては。
楽勝ムードのはずが、最後はベンチで気が気でない感じになってしまったのは可哀想。
FW
ノニ・マドゥエケ 7.0
前節の活躍を受け先発起用。
その期待に、今節は右足での豪快な一撃で応えた。
持ちたがり故にリズムを良くも悪くも破壊できるプレーヤーなので、活かせるかはチーム次第で、当然仕留めてくれれば問題なし。
後半は消える時間が長かったが、守備での貢献度も加味し、高い採点に。
アルマンド・ブロヤ 5.5
ボールを収めるプレーは効果的だったが、それ以外ではインパクトを残せず。
体の強さは魅力的だが、判断や走りどころの選択がまだまだ甘い。
CFとしてのポジショニングや飛び込む意識がもっと欲しい。
ジャクソンとの連携も機能したとは言い難く、難しい時間が続く。
ニコラス・ジャクソン 6.5
今回は2トップではなく、左WG起用。
反転や裏抜けなど、持ち味を見せるシーンは随所にあり、それが3点目のアシストにも繋がった。
一方で本職CFとは思えないほど敵陣エリアに近づくとダメになっていくのはなぜか。
最後はガス欠気味でボールキープもままならなかったが、最終盤はグストを助ける気迫の守備を見せた。
交代選手
クリストファー・エンクンク 5.5
ブロヤに代わり1トップで途中出場。
アフリカネーションズカップでジャクソンの離脱が確定した中、オプションを増やす意味を込めていたのは間違いない。
試合展開や適性からほとんど良さは出せず、ロングボールに競り負けるだけになってしまった。
使い方は要検討、がわかっただけでも収穫とするか。
エンソ・フェルナンデス 5.5
負傷からの復帰戦。
意外と早く戻ってきているあたりさすがである。
本来であればリハビリ起用になるはずが、展開的にガチらなければいけない感じに。
エンクンク同様らしさは出せなかったが、まあこれは仕方ない。
新年以降の活躍に期待したい。
アルフィ・ギルクリスト –
監督
マウリシオ・ポチェッティーノ 5.5
マドゥエケの先発抜擢、そしてそれが当たったところは良かった。
ただジャクソンとブロヤの同時起用、バックラインの構成といったメンバーチョイスはやはり疑問。
また試合の運び方、そしてセットプレーやクロス対応など、課題もずっと未解決のまま。
勝点3以外は課題を露呈する試合になった。
終わりに
良いお年を!!
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