はじめに
2024年は負けないチームになりたい。
得点者
チェルシー 1-0 フラム
得点:前半47分 コール・パーマー(チェルシー)
試合前
皆さんあけましておめでとうございます。
2024年のプレミアリーグ初戦である。
とはいえ英国サッカーを愛する皆さんにはあまり実感が無いだろう。
日本時間では年をまたぐような試合もあり、新年も早速FA杯、リーグ杯と立て続いた。
またアジアではアジア杯が、アフリカではアフリカネーションズカップも始まる。
2024年からサポーター各位も忙しい。
我らがチェルシーはそのFA杯こそ勝利したものの、リーグ杯では2部相手に低調な内容で敗北を喫した。
今ひとついい流れを作れないままリーグ戦の再開を迎えることに。
そのリーグ戦では連勝で2023年を締めくくっており、こちらは流れを継続したいところ。
対するは同じロンドンに位置するフラム。
年越しの一戦ではアーセナルを逆転で撃破。
FA杯もしっかりと勝ち上がり、リーグ杯では敗れたもののアンフィールドで1-2と、悪くない1stレグを終えている。
どちらも中位から脱するキーポイントとなる試合。
前回対戦時はミハイロ・ムドリクとアルマンド・ブロヤのゴールでチェルシーが勝利を収めている。
あの頃と違うのはやはり各大陸のカップ戦。
双方アジアの代表選手はいないものの、アフリカネーションズカップへは戦力を送り出している。
チェルシーはCFのニコラス・ジャクソンが、フラムはアレックス・イウォビとカルビン・バッシーを含む3名を欠く。
双方少なくはない戦力ダウンとなるだけに、両監督の采配とチーム力が鍵を握る。
前回対戦でゴールをあげたブロヤが再びスタメンに入った一方、フラムはハリー・ウィルソンとディオップが代役を務める。
試合内容
立ち上がりはホームのチェルシーがボールを握る。
エンソ・フェルナンデスを中心にエリア内に差し込むが、決定的なシーンを作るには至らない。
スターリングが何度か左からゴールに迫るが、ラストパスがなかなか合わない。
最初のチャンスは20分過ぎ。
左からエンソがクロスを上げるが、ブロヤのヘッドは枠の左に外れた。
フラムは元ブルーズの10番、ウィリアンを配する左から反撃。
ウィリアンと左SBのロビンソンでクロスまで届けると、ハリー・ウィルソンが合わせるが、ここはペトロビッチの好セーブで難を逃れた。
その後もなかなかペースの上がらない展開。
フラムも再三のセットプレーを掴むが、形にはならない。
このまま前半終了かと思われ中、大きなプレーはやはりコール・パーマーから。
右サイドから切れ込むと、相手を引き付けラストパス。
受けたスターリングが狡猾な切り返しでファールを誘い、PKを獲得。
これをパーマーがしっかりと沈め、チェルシーが大きなリードを奪い、前半を終えた。
後半最初のシュートもパーマーが放つが、これは枠の外。
オープンな展開を予感させる入りに従うかのように、双方がよりゴールに迫り出す。
スターリングやブロヤが何度もエリア内で触るが、シュートまでは打ち切れない。
前半に続き、エンソが何度もボールを触りリズムを作るがもどかしい展開が続く。
選手交代を図る両チーム。
チェルシーは不完全燃焼のブロヤを下げ、ノニ・マドゥエケを送り込む。
そのマドゥエケが縦への仕掛けを再三見せるが、中央には合わない。
速い展開に息を吹き返したのはアウェーのフラム。
ラウール・ヒメネスにビッグチャンスが訪れるが、ここもペトロビッチが立ちはだかった。
スピードが求められる展開の中、頼れる男が戦線復帰。
ベン・チルウェルが左に入り、腕章を受け取った。
奮闘するマドゥエケの突破から、ギャラガーがテクニカルなフィニッシュを見せるが、これはポストに阻まれた。
1-0のまま試合は後半ATに突入。
時間稼ぎも兼ねた交代で、カーニー・チュクエメカも復帰を果たした。
最後はセットプレーの雨に晒されたが、チアゴ・シウバを中心に守り抜いたチェルシー。
厳しい展開ながら勝点3を獲得した
選手採点
GK
ジョルジェ・ペトロビッチ 6.5
前後半にそれぞれビッグセーブでチームを救う。
不甲斐ない攻撃陣だけにこの2点のストップは大きく、完封勝利の立役者の1人。
セットプレーも徐々に対応ができるようになり、改善の兆し。
サンチェス不在を感じさせないハイパフォーマンスをこの日も披露した。
DF
チアゴ・シウバ 6.5
身体能力では衰えが見え始めているが、経験から来る予測で的確に対処。
ビルドアップも含めた全体への統率力はさすがで、幾度となく最終ラインをカバーした。
鋭い読みからのカットやタックルで健在ぶりをアピール。
最後のパワープレー相手にも、的確な先読みでクリーンシートを果たした。
アクセル・ディサシ 6.0
不安定なパフォーマンスが続いていたが、この日は高い集中を維持。
期待されている高さの部分に加え、この日はビルドアップにも進化の兆し。
対角に蹴るボールでうまくチームを前進させた。
最後はバタバタしたものの、御大の助けも借りつつ無失点で試合を終えた。
レヴィ・コルウィル 6.5
もはやお馴染みとなった左SBで登場。
相手がブロックを形成する中で、高い位置からのクロスや、大きく枠を外したもののシュートを見せるなど攻撃への積極性も少しずつ見え始めた。
守備面では一つウィルソンを逃すシーンがあったが、なんとか最後まで抑えきった。
成長を加味し、加点評価とした。
そんなわけでだんだんと左SBにも順応しているが、今節で本職が復帰。
次節以降はいよいよ中央のコルウィルが見られるのだろうか
マロ・グスト 6.0
フラムのストロングである左サイドで攻防。
持ち味の対人守備は健在で、1vs1でやられるシーンはほぼなかった。
攻撃でも悪くないクロスがあったが、やはりもう一つ工夫がほしい。
また一方でイエローカードとなったシーンはレッドもありうる危険なプレーだった。
前半戦で痛い目を見ているわけで、不要なプレーは避けたいところ。
MF
モイセス・カイセド 6.5
圧倒的なボール回収能力と運動量で中盤を制圧。
フラムの運動量がそこまでだったこともあるが、ほとんどのボールを刈り取り、波状攻撃に繋げた。
疲労が懸念されたものの、最後まで守りきり、連戦を何とか乗り切った。
ビルドアップでの貢献度も高く、アンカーとして代役がいないのが一番の問題か。
エンソ・フェルナンデス 6.5
不完全燃焼が続いていた中で、この日は素晴らしいパフォーマンス。
長短のパスや持ち上がり、時にはスペースへのランニングまでこなし、MFとしての完成度の高さを見せた。
相変わらずシュートだけは期待値が著しく低いのは何なのだろうか。
危険な位置でのスリップやミスがあったため採点をあげきることはできないが、やはり一つ抜けた存在であることは間違いない。
コナー・ギャラガー 6.0
ハイライトは右足アウトにかけた技巧的なシュートだったか。
開始から鋭いターンを見せるなど技術を見せながら、時には最終ラインまでプレスをかけ、精力的にプレー。
ただ周りの足が若干ついてこなかった部分もあるので、周りが自分と同じ頑丈さでないことはもう少し自覚したほうが良いかもしれない。
前述のシュートもポストを叩いたように、いい位置に入り込めて入るため、やはり得点に絡む部分に期待したい。
FW
コール・パーマー 7.0
さすがに疲れがチラホラと見えたが、このクオリティは今のチェルシーには欠かせない。
見事なパスからPKを演出し、しっかりと決めきった。
得点部分のみならず、流麗なトラップやアイデアのあるプレー、そして戦術性の高いプレスで全ての起点になっている。
冷静な技術で相手をいなすさまは、まさにコールド・パーマーである。
ラヒーム・スターリング 6.5
殊勲のPK獲得は時間的にもチーム的にも大きなプレーだった。
なんだかんだ一仕事するのはさすがである。
とはいえそれ以外のプレーは正直味気なく、踏みこむチャンス自体は多かっただけに最後のクオリティはもっと求めたい。
カウンターや守備でも物足りないシーンが多く、好調時ほどのバリューを出せていないのであれば、別方面での貢献を求めたい。
アルマンド・ブロヤ 5.0
ジャクソン不在のチャンスを活かすことができず。
前線で効果的な絡みは少なく、受けても打ちきれず残念なロストばかり。
ボールに対する予測が弱いのか、陸空ともに後手を踏む場面が目立ち、起点にもなりきれなかった。
本職が自身しかいない中、結果を残せば一気に序列を変えられるのだが、このままではそれは難しい。
交代選手
ノニ・マドゥエケ 6.5
ここ最近好調のレフティーは途中からの出場。
試合展開や役割をしっかりと理解したプレーが印象的。
無理が効くフィジカルを活かし、強引にでもクロスやシュートに持ち込み、最後までやりきった。
最後はやや危ういロストもあったが、特別な突破力はやはり大きな武器だ。
ベン・チルウェル 6.0
待望の復帰。
試運転だったことを加味した左MF起用。
次回もやったらポチェッティーノには疑いしかないが。
経験の豊富さを活かし、冷静なプレーでチームとボールを落ち着かせ、復帰初戦としては悪くない出来。
カーニー・チュクエメカ -
アルフィー・ギルクリスト -
監督
マウリシオ・ポチェッティーノ 6.0
ホームでPKでの1-0、もとめられる結果としては最低限はこなした。
エンソ・フェルナンデスが調子を取り戻しつつあり、またチルウェル、チュクエメカら怪我人も徐々に戻ってきたことは間違いなく朗報。
それだけにこのスカッドを操る指揮官の技量がもとめられる。
同時に言い訳ができない状況になっていることも事実であり、次節以降は内容も伴った戦いに期待をしたい。
終わりに
皆さん今年もよろしくお願いします
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