はじめに
今年のプレゼントにそれはないだろう。
得点者
チェルシー 1-2 フラム
得点:前半16分 コール・パーマー (チェルシー)/後半37分 ハリー・ウィルソン、後半50分 ロドリゴ・ムニス(フラム)
試合前
前節エバートンに引き分け、公式戦の連勝がストップしたチェルシー。
ショーン・ダイシの塩漬けの前に有効な打開策を繰り出せず、逆にカウンターを浴びるシーンも。
ロベルト・サンチェスの好守もあり、何とか勝点1を持って帰ったとも言える。
攻撃陣が沈黙したのは残念だが、ケガ人続出の守備陣でのCS達成は好材料。
普段は控えのトシン・アダラビオヨのブロックには称賛が集まった。
今節からはククレジャも復帰し、左からの攻撃は迫力が戻るだろう。
出ずっぱりの中、適度な休養になったと捉えたい。
エバートン戦からは中3日という過密日程。
ターンオーバー必須の試合が続く中、フレッシュなFWたちに期待したい。
対するフラムは3戦連続ドロー中。
中々勝ち切れない、というよりも強豪相手にもぎ取っているという方が正しい。
リバプール、アーセナル相手に堂々の戦いを見せている。
もはやアーセナルとも言える2列目に、ハリー・ウィルソンやアダマ・トラオレも絡む。
またキャプテンのロビンソンも安定したハイパフォーマンスを披露している。
危険な相手ではあるが、チェルシーとしてはライバルと同じく勝点を落としたくはない。
選手採点
GK
ロベルト・サンチェス 6.0
好守を見せた前節に引き続き、安定的なショットストップ。
強烈なシュートもこぼさずよく抑え、ロビンソンの決定機も勇気を持った飛び出しでストップ
一方でキック精度は改善の余地ありで、あっさり相手に渡すのが気になるところ。
余裕がある状況でも易々と相手に渡してしまい、処理の難しいボールを送り込むことさえできなかった。
その代償が払われたのがラストシーンで、間違った位置に間違ったキックを放ってしまった。
セービングは良いが、今後上を目指すには、、、と言われてしまうのも致し方ないのか。
DF
レヴィ・コルウィル 6.0
身体のぶつけ合いを好むFW相手に臆せず勝負。
開幕から継続的に出場していることもあり、自身を持ったプレーが出来ている。
左足の縦も冴えており、先制点のシーンをはじめ中盤に鋭いボールを刺し続けた。
力強いプレーを続けられていたが、オープンな展開で徐々に疲弊したか
最後は戻り切れず、失点を食い止められなかった。
とはいえ彼の責任範囲は少なく、及第点として良いだろう。
トシン・アダラビヨオ 5.5
連続スタメンで古巣との初対戦を迎える。
ブーイングを受けながらの試合はミスも目立ち、深い位置でパスを奪われることも。
それでも徐々に慣れてきた後は、リーチの長さを活かしたクリアで貢献。
一方でスピードに乗った相手に対してのディレイに苦戦し、右の瓦解を止めきれず。
ビルドアップも窮屈になるシーンが目立ち、得手不得手が目立つ試合となってしまった。
マロ・グスト 5.0
ネトと共同し抑えに行くが、フラムの推進力に苦戦。
マークの分担、受け渡しについては彼の責任ではなくチームの問題なのは確かに気の毒ではある
それでも本来の能力から鑑みれば、彼の守備力をもう少しあてにしたかったところ。
攻撃での貢献も少なく、バックパスや消極的なプレーが多かった。
新しいロールにはまだ慣れていない。
マルク・ククレジャ 6.0
出場停止明けで体力も気合も十分。
惜しいダイビングヘッドを2回放ち、3戦連発を予感させる場面も。
アダマ・トラオレのフィジカルにはかなり手を焼いたが、それでもよく頑張ったと言えるだろう。
攻守ともによく走ったが、最後は裏を取られる形になり、カウンター阻止には間に合わなかった。
MF
モイセス・カイセド 6.0
トランジションの激しい試合も何のその。
クレバーなインターセプトで相手の攻撃の芽を摘み、逆にチェルシーの起点に。
奪ってからの展開もスムーズだったが、チーム事情でややエンソが遠く連携してのプレーが少なかった印象。
それもあってか必要以上に加熱したオープンな展開をコントロールできず。
ゲームコントロールを失ったことが手痛い結果に繋がってしまった。
エンソ・フェルナンデス 6.0
ゲームメイクもさることながら、この日はデュエルでも存在感。
球際で激しく戦い、そこから精緻なパスを通す姿はプレミア仕様になった証か。
他方プレスのかけ方では制限をかけることが出来ず、走りをチームとしてうまく使えなかった印象。
実力は確かなだけに、無駄遣いしてしまった感は否めない。
セットプレーやミドルシュートはさすがの精度だったが、レノの牙城を超えきれなかった。
FW
コール・パーマー 7.0
不完全燃焼に終わった前節の鬱憤を16分で晴らす。
相手の守備をものともしないテクニックとシュートセンスで、美しい先制点をマーク。
その後も繰り返しバイタルで流麗なターンを見せ攻撃を加速させる。
若干前半から飛ばしすぎたか、やや後半はトーンダウンし、珍しいパスミスも。
最後まで中心であり続けたが、疲労を含めマネジメントしていく必要はありそう。
1年の得点数でチームの歴史に名を刻んだが、スーパーゴールが勝点に結び付かなかったのは残念でならない。
ペドロ・ネト 6.0
攻撃のみならず、ロビンソンのカバーも任せられる。
さすがにタスク過剰になりすぎていたか、マレスカは途中でその任を解除。
しかし解除したはずがなぜか後半から再任されていた。
それでも高い守備意識で相手のストロングを抑えようと本当によく走った。
心を打つ奮闘ぶりだっただけに、接触で倒れているときに同点弾を浴びたのは非常に辛い。
残念な試合になってしまったが、攻守に走り切った点は高く評価したい。
ジェイドン・サンチョ 5.5
左サイドで高いキープ力を発揮し、得意のカットインからチャンスを伺った。
周りのランニングを囮に使いながら仕掛けたが、5バック相手にアシストは出来ず。
守備にもよく走っていたが、最後はややガス欠気味になっていたか。
後半終盤には好機もあったが、レノの好セーブの前に得点とはならなかった。
ムドリク不在の現状はサンチョに頼らざるを得ないだけに、踏ん張りどころの冬を迎えている。
ニコラス・ジャクソン 6.0
中々ボールの来る展開ではなかったが、アバウトなボールをしなやかに収めチームを助ける。
足技で相手守備陣に複数枚のイエローカードを誘発した。
後半は得意の裏抜けからサンチョらと攻略を図るも、最後を詰め切れず。
それでも果たすべきタスクは十分にこなした。
エンクンクに交代するが、その後の展開が逆説的に彼の重要性を物語っている。
交代選手
クリストファー・エンクンク 5.0
ジャクソンに代わり途中出場。
持っている特徴が違うのはわかるが、それでももう少しボールキープでの貢献が欲しかった。
ジャクソンがかなり異次元のレベルで収められるので、逆にその部分が目立ってしまった。
対して自身の強みである決定力でも結果を残せず。
惜しいバイシクルを沈められれば、評価もかなり変わったのだが。
監督
エンツォ・マレスカ 4.5
選手はよく頑張った。
監督による敗戦と言わざるを得ないのではないだろうか。
フラム最大の武器である左サイド(チェルシーから見ると右サイド)を抑えきれない状態を放置。
正確には前半途中からプレスのかけ方を変え好転していた時間帯もあったのだが、後半から戻ることになった。
ネト、エンソらはよく走っていたが、構造的欠陥とマークのズレを補い切れず、頑張りのみで逃げ切れる相手ではなかった。
交代も疑問で、適切なカードでもなく、適切な場所でもなかったのではないか。
エバートン戦に引き続き、「やや悪い」状況に対し打開策をトライする勇気を出せていないように見える。
選手の奮闘が見られただけに、戦術面での敗戦に数えられてしまうだろう。
終わりに
また一から頑張りましょう。
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