24-25 第25節 ブライトンvsチェルシー(A)選手採点

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はじめに

連泊しなさい。

得点者

ブライトン 3-0 チェルシー

得点:前半27分 三笘薫、前半38分、後半18分 ヤンクバ・ミンテ (ブライトン)

試合前

FA杯4回戦の再戦となったプレミアリーグ第25節。

1週間空けてチェルシーは再びブライトンと相まみえる。

チェルシーは前節、ポッター新体制となったウェストハムを下し4位に再浮上。

マンチェスターシティ、ニューカッスルの足踏みを活かした格好となった。

試合を支配しながらもレヴィ・コルウィルのミスで先制を許す不穏な展開ながら、マレスカの思い切った采配が奏功。

後半早々に投入されたペドロ・ネトが同点弾を奪うと、エースのパーマーがOGを誘発し逆転に成功。

前半ビハインドの状態から逆転勝ちを収めたが、なんとスタンフォードブリッジでは2013年以来の出来事だったという。

逆転勝利への縁のなさより、前監督の凱旋時は全く勝てないというバフの方が勝っていたようだ。

そのポッターのもう一つの古巣ブライトンとは、1週間で2度目の顔合わせと、つくづく縁のあるチームだ。

そういえば今季序盤には、リーグ戦で相対したニューカッスルと3日後にカラバオで会うということもあった。

組み合わせの妙とはいえ、作為めいたものを感じないわけではない。

チェルシー同様、年末から崩れたブライトン。

リーグ前節はノッティンガム・フォレスト相手に7失点を喫するショッキングな敗戦。

バウンスバックを期したFA杯ではチェルシー相手に逆転勝ち。

ブライトンのパフォーマンスというよりも、チェルシーの低調な出来が目立った。

エンクンクの機能不全にはじまり、ビルドアップで最後まで解決策を見いだせないまま90分経過してしまったという試合だった。

頼みのパーマーも不調で、昨季同様パーマーの出来に左右されるチームに戻りかかっている。

さらにニコラス・ジャクソン、マルク・ギウのCFが長い離脱となることが発表され、新たな戦い方の構築が求めれる。

FA杯からチェルシーは4枚の変更。

GKにはファーストチョイスとなったらしいヨルゲンセンが入り、コルウィルが最終ラインに。

攻撃陣としてはエンソ・フェルナンデスとノニ・マドゥエケが戻った。

対するブライトンは負傷したダンク以外は変えず、先週末の再現を狙う。

今季の課題である修正力がわかりやすく試される試合となった。

選手採点

GK

フィリップ・ヨルゲンセン 5.0

ついに第一GKに昇格したか、リーグ戦2戦連続の先発となった。

しかしながら、うーん、厳しい試合に。

もっとも彼自身は割と頑張っていた方で、ビルドアップでは良い展開で貢献することも。

1失点目は三苫がスーパーだったこと、2失点目は初回のピンチは防いだことを考慮すると彼の過失は重くないのだが。

サンチェスが降格した理由でもあるビルドアップでは、ヨルゲンセンにも決定的なミスが。

ここは相手のミスで難を逃れることになった。

とはいえ総じてサンチェスへ再度戻す理由はない。

3失点を喫したことでもう一度守護神問題は再燃しそうだが、生き残ってほしい限り。

DF

レヴィ・コルウィル 5.0

ウェルベックと対敵し、激しい肉弾戦。

個人としての対人戦は悪くなかったが、DFラインを引き締めるには至らず

また自身の軽いプレーが3失点目に繋がってしまった。

FA杯からの交代選手の一人で期待されたが、それを下回る出来だったのは非常に残念。

苦慮するビルドアップでの存在感も求められたが、組み立てでも効果的なプレーは少ない。

苦しい試合となった。

トレヴォ・チャロバー 5.0

1vs1となった三笘薫にスーパーゴールを許し、先制点を奪われる。

とはいえ三笘のうまさもあり、対応自体はそこまで悪くなかった。

一方で安易なクリアミスから2失点目に絡んでしまった方が責任度合いは強い。

その後も不安定な出来に終始し、不用意なパスをひっかけられる場面も。

攻守において精彩を欠き、復帰戦の溌溂とした出来からは程遠かった。

マロ・グスト 5.0

この日も中央で起用される。

ただ前半最初に流れの中からサイドを駆け上がったシーンが一番良かったのでは。

戦術で彼の良さが消えてしまっているのは否めない。

三笘にもよく対応していたが、結果的には空いたスペースを使われている格好だった。

中盤から惜しいミドルを放ったが、彼が振るのが出口で良いのか。

この日も戦術とのアンマッチばかりが目立ち、途中交代となった。

マルク・ククレジャ 5.0

左サイドで奮闘するが、アクセントを加えるには至れず。

ネト、サンチョと相方が変わったが、どちらともあまりに連携を取り切れなかった。

WGに預けて以降任せるのはチームとしても決まり事だろうが、さすがにフォローが少ないのは双方にとって正しい形とは思えない。

後半は意欲的な上がりを見せたが、今度は守備でWGとの連携に後れを取り痛恨の3失点目。

良いところのない試合になってしまった。

MF

モイセス・カイセド 5.5

中盤で力強さを発揮し、デュエルに何度も勝利。

しかし自身のところで取り切れないと、サイドでのクオリティ差で2点のビハインドに。

スーパーなカイセドがいても、結局彼のところで取り切れる形を作らなければ意味がない。

追いかける後半は1アンカーとしてさらに負担がかかった。

何とか試合を保っていたものの、攻撃的な布陣変更を機に、後半途中でベンチに下がることに。

エンソ・フェルナンデス 5.5 

シャドーに近い位置で起用される。

エリア内でヘディングを決めたシーンもあったが、直前のファールを取られてしまった。

直後にチームは2点目を失ったこともあり、一つのターニングポイントになったか。

状況を変えようと特に後半は低い位置から何度も散らしを試みるが、打開することは出来ず。

戦う姿勢は見える選手だけに、悲壮感も際立つ。

FW

コール・パーマー 5.0

前半は2度の好機を迎えるがどちらも足に上手く当たらず。

ここ最近は珍しいミスも多く、疲労もありそう。

もっとも同じポジションができるジョアン・フェリックスもカーニー・チュクエメカもいなくなってしまったのだが。

エンクンクとは絶望的にコンビネーションがなく、中央が得意な二人が中央で崩すシーンは皆無。

チームとしてはパーマーの魔法に頼るしかない現状で、彼の不調が当たってしまったのは極めて痛い。

ノニ・マドゥエケ 6.0

マンツーマンで当ててくる相手に対し、フィジカルとテクニックで出口になる。

グストやエンクンクとの連携から好機を演出した。

それだけに前半20分での負傷交代は極めて残念。

今後の試合にも影響のある離脱となってしまった。

ペドロ・ネト 5.0

0トップを採用した布陣で、スペースを狙うタスクを任される。

やりたいこと自体はそれなりに見えており、走力の高さを見せていた。

ただマドゥエケの負傷から右に移った後は存在感を欠き、特にスペースがない状態でのダブルチームは彼のような選手には難しかった。

布陣的にSBのサポートが受けられない側のサイドでの打開を求めるのはあまりにも酷だった。

後半途中でジョージと交代。

クリストファー・エンクンク 4.5

トップ不在のスカッドで連続してスタメン。

パーマーと交代で最前線と中盤を行き来した。

序盤こそ積極的に絡みに行ったが、そこからの効果的な動きはほとんどなかった。

ポジションの問題が定期的に取りざたされるが、それよりも今は単純なタッチの質が気になる。

マレスカ戦術の犠牲になっている一人ではあるが、それ以外の個人のクオリティにも疑問符。

CFが離脱する中で結果を残したいのだが。。。

交代選手

ジェイドン・サンチョ 4.5

マドゥエケの負傷でスクランブル発進。

左に入り仕掛けを試みるが、中を固めるブライトン守備陣に苦戦。

後半からはククレジャとのパス交換を増やしたが、エリア内での仕事は果たせず。

それよりも守備強度の低さの方が気になり、最終ラインまで戻ることを厭わない対面のミンテと比べると非常に物足りない。

3失点目は自身の戻りが遅れたところからでもある。

長い時間が与えられたが、攻守双方で不満の残る出来。

リース・ジェームズ 5.0

グストに代わり後半途中出場。

同じく中盤の位置での活躍を期待されたが、正直ギュストと影響力はあまり変わらず。

長いボールが蹴れるのはプラスだったが、それよりもビルドアップで苦戦する方が目立った。

体もやや重そうで、最後の一伸びや切替えのスプリントもエンジンがかかり切っていない印象。

コンディション不良も疑われる出来だった。

キアナン・デューズバリー・ホール 5.0

精力的な動きを見せたFA杯の再現を狙ったか。

後半途中から中盤の位置に入るが、受ける回数も捌く回数も少ない。

その少ない回数でもミスが重なり、クオリティが足りているとは言い難い。

加入して半シーズンとなるが、味方との意思疎通が図れていない場面も気になった。

試合にインパクトを与えられないまま、タイムアップを迎えた

タリク・ジョージ 5.5

ネトに代わり途中出場。

右サイドに入り精力的な動きを見せ、何度か裏を取るシーンも。

もちろんマドゥエケやネトが相手の体力を削っていたのもあるが、ランプティ相手に何度か優位に立つシーンもあった。

中々裏が取れない試合展開の中で動きや仕掛けの双方で貴重な存在となり、最も可能性のあるプレーヤーに。

それだけに何かしらの結果を残したかった。

監督

エンツォ・マレスカ 5.0

修正力、そして今後の方針を試される試合だったが、結果は大敗。

1週間前から何かしらの改善を、と期待を背負ったが、残念ながらより悲惨な試合となってしまった。

もちろんマドゥエケの負傷や三苫のゴラッソは年一クラスと、不運もあったのは事実。

しかし問題はその後。

改善が図られないまま戦術と選手特性のアンマッチが際立つ時間を延々と繰り広げてしまう。

FA杯の敗戦を焼き直しているかのようだった。

主力の離脱というエクスキューズはあるが、この修正力や戦術的柔軟性の低さはいかがなものか。

監督としての成長や発想の転換を求めたい。

終わりに

せめて。誰かやどこかの何かが良くなってくれていれば。

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