24-25 第26節 アストンヴィラvsチェルシー(A)選手採点

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はじめに

トンネルの抜け方を模索中。

得点者

アストンヴィラ 2-1 チェルシー

得点:後半12分、後半44分 マルコ・アセンシオ (アストンヴィラ)/前半9分 エンソ・フェルナンデス(チェルシー)

試合前

FA杯、そして前節とブライトン相手に2連敗を喫したチェルシー。

特に前節はFA杯のリベンジマッチとなるはずが、三苫薫のスーパーゴールを含む計3発を叩き込まれ守備が崩壊。

攻撃陣も枠内シュートを1本も放てず90分を終えた。

まさに完敗という試合内容で、順位も6位に転落。

復調気味のマンチェスターシティと躍進するボーンマスに抜かれ、すぐ後ろにはニューカッスル。

CL権争いのポールポジションを失い、今はなんとか食らいつかなければいけない立ち位置に。

そんな中で迎えるのは難敵アストンヴィラ。

序盤戦こそやや乗り切れない印象があり、前回対戦時は3‐0でチェルシーが粉砕。

しかし徐々に調子を上げ、直近では独走中の首位リバプール相手にドロー。

ビッグ6相手にも引けを取らない完成度で、チェルシーを迎え撃つ。

リバプール戦は第29節の前倒し分で、日程面ではやや優位。

しかし怪我人リストにさらにノニ・マドゥエケも加わってしまった中ではさほど優位には働かないだろう。

台所事情も苦しい中、厳しい試合を迎える。

変化を加えたいマレスカはジェームズを中盤に、ネトをトップに置く布陣を採用。

エンクンクのトップは諦め、新布陣で勝ちに行く。

選手採点

GK

フィリップ・ヨルゲンセン 5.0

スタメンに定着した模様で3戦連続で先発出場。

前半2度訪れた、ワトキンズのシュートは見事にセーブ。

長い足を使ったスペースを消すセービングで、前半はリードを保ったが、後半は痛恨の2発を献上。

特に2失点目は決して難しいシュートではなかったこと、その前のピンチをしっかりと自身で止めていたことを考えるとあまりにももったいない。

89分までの出来は悪くなかっただけに、確実に締めたかったところ。

サンチェスとの論争の再燃は確実そうだ。

DF

レヴィ・コルウィル 5.5

ワトキンズ相手に激しいバトル。

背負われるシーンも多く、起点作りを許してしまうこともあったが、何とか耐えたと言うべきか。

左足のロングキックは精度が高く、前線が裏抜けを得意とするネトだったことで効果的に機能。

縦パスが攻撃のスイッチになるシーンはかなり増えていた。

最終盤は前線に上がり得点も目指したが、結果には繋がらず。

個人としてものすごく悪いわけではなかったが、チームの守備の引き締めは期待しすぎか。

トレヴォ・チャロバー ―

期待されての先発復帰だったが、開始早々に負傷。

怪我人が多い中、さらなる離脱者となってしまった。

マロ・グスト 5.0

得意の大外を与えられ、上下動を繰り返す。

一方でトラップやパスが乱れるシーンが多く、せっかく良い受け方をしてもそこから繋げなかった。

結果的には彼のパスミスとマークミスから失点をすることになった。

後半はラッシュフォードと対敵し、対人の強さは見せられた。

強みでは優位に立てるのだが、苦手な分野での印象がかなり悪い。

組織での使われ方もあるのだが、個人としての成長がやや停滞しているように感じられる。

マルク・ククレジャ 5.5

組立でも守備でも強みを発揮。

エンクンクとのコンビはそこまで洗練されてなかったが、練習回数を考慮すると致し方ないか。

ロジャースとベイリーというタイプの違う2人のFW相手に奮戦し、水際で耐久した。

この日はシンプルな縦への上下動がSBに求められたタスクであり、当然ククレジャ自身も中盤よりは外から入る回数は増えた。

中でも外でもこなせるのはありがたいが、攻撃にアクセントを加えられるとなお良かったか。

単騎突破型ではないエンクンクだけに、練度と時間が必要そうだ。

リース・ジェームズ 5.5

この日は中盤で起用。

キック精度を活かし、裏抜けを狙うネトやグストを何度も押し出す。

質の高いキックや、強烈なボレーで攻撃では期待感を見せる。

中盤でいい連携を見せることもあったが、時折不用意なミスがあったのも事実。

力強いプレーを持ちながらも、まだコンディションが戻っていないか。

そろそろ過去のキレを取り戻してほしいが、負荷をかけるのが怖すぎる選手になってしまった。

MF

モイセス・カイセド 6.5

中盤の潰し屋として存在感を発揮。

ヴィラの技巧派相手に激しいデュエルを挑む。

球際の強さはさすがにさすがで、個人でのボール奪取や味方へのフォローもしっかりとこなした。

無理の効くターンからの展開で攻撃面でも好プレーを随所に披露し、先制点の起点にもなった。

アシスト級のスルーパスは得点には繋がらなかったが、攻守ともに素晴らしいプレー。

エンソと共に、やはり中核であることを改めて示した。

エンソ・フェルナンデス 7.0

ネトのクロスにエリア内まで入り、落ち着いて先制弾を奪う。

トップ下のようなポジションで、左に流れつつゲームメイクとチャンスクリエイトの双方を担当。

果敢にシュートを狙う場面もあり、ストライカー不在の状況で迫力を生み出した。

守備でも最終ラインまでプレスを仕掛ける場面があり、膨大なタスクを引き受けることに。

最終盤はさすがに疲れからか珍しいミスもあったが、そもそもの責任範囲が広すぎた。

勝利への執念を最後まで見せただけに、勝点という形にならなかったのはとてももどかしい。

FW

コール・パーマー 5.5

この日は右サイドで先発し、グストとコンビネーションを繰り出す。

ここ最近は少なかったクリエイティブなプレーも増え、惜しいクロスやシュートを放つ。

とはいえ、らしくない決定機のミスもあり本調子からは程遠い印象。

特にカイセドのパスに抜け出したシーンは、本来のパーマーであればしっかりと決めきっていたはず。

そこまで多くのチャンスを作れるチーム状況ではないだけに、彼の決定力が霞むとかなり苦しくなる。

復調に期待したい。

ペドロ・ネト 6.5

この日はトップの位置で出場すると、サイドや裏のスペースによく走った。

開始早々に抜け出しから力強い突破を見せ、先制点のアシストを記録。

その後も自慢のスピードを生かした飛び出しや走り込みでチャンスメイクにも失地回復にも大きく貢献。

サイドでの起用よりも、最前線でスペースに流れる方が得意そうだ。

自身でも何本か強引な体勢からもシュートに持ち込み、得点への意欲を見せる。

少なくともエンクンクを頂点に置く布陣よりは機能しており、今後も継続されるだろう。

クリストファー・エンクンク 5.5

トップではなく左サイドで起用される。

ボールに触る回数自体は増えたが、効果的なプレーの回数には疑問符。

ペースダウンを強いられることも多く、左からの仕掛けは限られた。

後半はパーマーとの連携が決まらず、好機でも渡してもらえず。

信頼を失った状態で途中交代。

交代選手

トシン・アダラビオヨ 5.0

チャロバーの負傷でスクランブル出場。

空中戦では強さを見せたが、試合に入れずクリアをミスすることも。

空中戦での迎撃では長所を発揮したが、それ以外の地上戦やビルドアップでは貢献度が低かった。

もちろん急遽の出場というエクスキューズはあるのだが。

チャロバーが負傷し今後も出番が回ってくる可能性は極めて高い。

今日のパフォーマンスは緊急出勤の弊害で、新しい戦術への適応不足でなければいいが。

ジェイドン・サンチョ 5.5

エンクンクに代わり後半途中出場。

大外からの切れ込みはエンクンクよりも迫力があったが、ラストパスやシュートまでは持ち込めず。

入り込むところまでは上手いのだが、そこから得点に繋げるまでのプレーはいまだに改善の余地あり。

守備でも後れを取る場面があり、裏を取られるシーンも何度かあった。

エンクンクのサイド起用よりは期待が持てただけに、次節以降はもう少し長い時間を与えたい。

監督

エンツォ・マレスカ 5.5

自身のこだわりを捨て、偽サイドバックをはじめとした強引な布陣やエンクンクのトップを打ち切り。

最前線にネトを配置し、グストに大外を託す攻撃はかなり効果的で先制点は狙い通りの形だっただろう。

それだけにエメリの修正後に再修正を施し、チームを勝利に導きたかった。

1の手としての戦術変更は奏功したが、対策をされた後の再修正が出来なかった印象だ。

監督として試合の準備面で出来ることは最低限こなしていたため、後はアドリブ力とでもいうべきか。

もちろんチャンスシーンや失点シーンは個々のプレーヤーの責任もあるため、マレスカにも気の毒な部分はある。

過去の敗戦と異なり、光明が見えた試合でもある。

次節以降は結果に繋がることを期待したい。

終わりに

途中出場の選手で差が出てしまうのはフロントの怠慢でもある。

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