はじめに
パーキンソンの法則。
得点者
チェルシー 2-2 イプスウィッチ
得点:後半1分 オウンゴール、後半35分 ジェイドン・サンチョ(チェルシー)/前半19分 フリオ・エンシーソ、前半31分 ベン・ジョンソン (イプスウィッチ)
試合前
前節はブレントフォードと引き分け、辛くも4位の座を死守したチェルシー。
死守した、とは言いつつ5位のニューカッスルは1試合少ない中で同勝点であり、実質的には5位と見るべき。
ここ最近の大きなトピックはCL出場権枠の拡大だ。
各欧州大会で好調なプレミア勢は、自らの手で出場権の拡大をもぎ取ったことになる。
しかしながら枠が増えたことで一安心、ということには決してならない。
躍進するノッティンガム・フォレストは3位をキープし、前述のニューカッスルもいる。
さらにチェルシーの周囲にはマンチェスターシティがぴたりと付き、アストン・ヴィラも順位を上げてきた。
間違いなく、チェルシーというチームはこういう時に5位争いの渦中に巻き込まれる側だ。
一つのミスで、CLどころかELすら失う大混戦である。
そんなチェルシーの欧州戦もいよいよ佳境。
ECLでは日本人選手の森下を擁するレギア・ワルシャアと激突。
奇策に溺れた相手のスキを突き、見事3得点で快勝を収めた。
相手のレベルが落ちるのは事実だが、今後の過密日程も考慮すると大きな勝利。
タリク・ジョージがシニアチーム初ゴールをマークし、直近復帰したノニ・マドゥエケが2G。
マドゥエケのアシストは共にジェイドン・サンチョと、WG陣に得点が生まれているのは喜ばしい。
良い流れを継続したい今節の相手は、昇格組のイプスウィッチ。
今季は昇格組が全チーム奮わず、イプスウィッチも降格の可能性が高い。
すでに降格の決まったサウサンプトン、レスターに次いで18位という立ち位置だ。
しかしながら前回対戦ではホームの圧と共にチェルシーを撃破。
油断ならない相手である。
32節はある種の節目であり、イエローカードのリセットに加え、この試合からは半自動オフサイドシステムが導入される。
カイセドの累積にも注目が集まる。
チェルシーのスタメンは、過密日程を考慮しECLから複数メンバーを入れ替え。
バックラインはトシン・アダラバイヨ以外全員が入れ代わり、レヴィ・コルウィル、マルク・ククレジャ、トレヴォ・チャロバー。
MF以降はいつも通りの面々が並んだが、ミッドウィークで活躍を見せたマドゥエケが右、ネトが左に入った。
上のチームが落とし、下のチームが勝点を稼いだ今節、負けられない試合だ。
選手採点
GK
ロベルト・サンチェス 5.5
スタメンに返り咲いたようだが、この日も早々のパスミスで不安を抱かせる。
出来ないことはしないでほしい。
二失点はどちらもGKの責任とは言えないので、本職の方の評価はしづらい。
ただハイボール対応で良さを見せた直後にフィードをミスするなど、やはり足元は怪しく、採点も難しい。
この日浴びたシュートは危険なものが多かったが、失点場面以外は枠外か正面で事なきを得た。
もはやログインボーナスと化しているが、ミスの多さはいかがなものか、、、と毎試合書いている
DF
レヴィ・コルウィル 5.0
左CBで出場。
チャロバーが右SBに入ったこともあり、比較的前目の位置取りが多かった印象。
惜しいヘディングでゴールへの期待を抱かせたが、直後に軽いプレーから逆にゴールを許す。
前にも後ろにも中途半端な対応だった。
浮ついた対応で2つ目も止められず、直近の安定感はどこへ。
緩い戻りからの失点癖は永遠の課題だ。
コルウィルに限らずだが、この日のCB陣はとても及第点が付けられる出来ではなかった。
トシン・アダラバイヨ 4.5
バックライン唯一となる、ECLからの連戦。
疲れもあるのだろうが、甘い寄せで先制点に繋がるポストプレーとシュートを許す。
さらにライン設定を誤り2点目も易々と献上。
引き締めなければいけない立場の選手とは思えない甘いプレーの連続。
その代償はチームにあまりにも大きかった。
低調な出来で、前半での交代は妥当。
トレヴォ・チャロバー 5.0
右SBの位置で先発出場。
足元の技術はあったが、空中戦での競り負けで起点を作られてしまう。
サイドからのクロスも精度を欠き、本職でないことを示す形になってしまった。
後半開始のグスト投入と合わせ、CBの位置に移行。
後半は無失点とはいえ、対人で何度か危ういシーンを作られる。
単体での守備力には疑問が残った。
終盤にはセットプレーから決定的なヘッドを放つも、ビッグセーブに阻まれ取り返せず。
マルク・ククレジャ 6.0
CB陣の甘い対応のツケを受けた印象。
数的不利や追いつかない状態での対応を余儀なくされた。
悔しい前半から一転、後半は果敢な飛び込みで反撃のOGを誘発。
CFと見紛う位置にまで飛び込み、ゴールへの執念を見せる。
苦しい展開の中、追撃のゴールに絡んだ点は評価したい。
その後も高い位置取りで攻撃に絡むが、3点目までは奪い切れなかった。
MF
モイセス・カイセド 6.0
ロングボールを多用する相手に、見せ場は限定的。
まあカイセドを放置して軟弱なCBを狙うのは当然なのだが。
やや疲労の色も見え、足腰が追い付いていないような場面も。
押し込んだ時間帯ではミドルも狙いに行ったが、GKを慌てさせることは出来ず。
負担が集中しやすい試合だったが、この日もイエローを回避し、ついに累積リーチ状態から脱出。
よく耐えてくれたと言うしかない。
エンソ・フェルナンデス 6.0
マドゥエケやチャロバーと絡み、右サイドから攻略を試みる。
CKを含め中央へクロスを送る回数は多かったが、得点には繋がらず。
中央から何度もボールを広げ、自身でもシュートを放つが、決定力は沈黙。
決定力以外は本当に良い選手なのだが。
最終盤には右足でビッグチャンスが訪れたが、こちらもスーパーセーブにあいヒーローにはなれず。
直近はかなりプレーヤーとしての幅が広がり、二列目としてのプレーにもらしさを出せるようになってきたようだ。
FW
コール・パーマー 5.5
トップ下から両翼を走らせるパスを展開するが、決定機を作り切れず。
自身のシュートもなく、迫力を欠く。
それでも後半からは責任感と自覚を取り戻したか、巧みなキープで打開を探る。
クロスやシュートも積極的だったが、力が入りすぎていたか。
随所に見せるテクニックはさすがだが、良い時のような落ち着きがなくなってしまった印象。
一つ決まれば戻りそうではある。
彼にも終盤に好機が到来したが、仕留めきる事は出来なかった。
ノニ・マドゥエケ 6.5
ECLでの2ゴールを継続するかのように、気合の入ったプレー。
大外で何度もフリーになり、シュート意識も高かった。
故に前半最大の絶好機で足を取られてしまったのは残念。
それでも後半開始からトップギアで入ると、圧倒的な突破でククレジャの得点をアシスト。
その後も突破にトライする姿勢は見せたが、やや早い時間でガス欠か。
サンチョと交代した。
ペドロ・ネト 6.0
この日は左での出場。
利き足と同サイドになったが、左右両足で高精度のクロスを供給。
1vs1ではかなり高い確率で勝てていたが、途中からは2人に戻られた。
サンチョ投入後は右に回り、カットインシュートなど左足を振るう。
力を込めたシュートを何度も打つが、コースを突き切れず。
試合通じてチャンスメイクに奮戦したが、得点を導くことは出来なかった。
ニコラス・ジャクソン 5.5
開始早々に決定機が訪れるが、惜しくもシュートはポストに弾かれた。
以降はスペースを消され、不得手な空中戦を見送る格好に。
エンソのパスを引き出す裏抜けは期待感を抱かせたが、この日はそこからのシュート精度を欠いた。
ボールを受けてからは柔軟なプレーを見せたものの、そもそものタッチ数が限られた印象。
開始直後のチャンス以外は見せ場も少なく、逆転をチームメイトに託し交代。
交代選手
マロ・グスト 5.5
弛んだ守備陣に喝を入れる目的か、後半開始と同時に投入。
中に入る動きをメインにしつつ、幅広く攻撃のサポートに回る。
チャロバーよりは厚みを持たせられたが、攻撃のクオリティがもう一つ欲しかった。
サポートの姿勢は悪くなかったが、その後のクオリティには改善の余地があった。
イージーなパスミスでチームのリズムを崩してしまうような場面もあり、期待されていた役割は果たせなかった。
ジェイドン・サンチョ 7.0
攻撃の最後の一押しを託され後半途中投入。
ネトが消耗させたトゥアンゼベと相対し、キレのあるプレーで翻弄。
得点の予感を感じさせると、得意の左サイドから右足を一閃。
見事なコントロールショットで同点弾をマークした。
その後も味方を上手く使いながら反撃弾を狙うも、3点目は遠く。
それでも値千金の同点弾だったことに変わりはない。
クリストファー・エンクンク ‐
監督
エンツォ・マレスカ 5.5
ECLでの快勝を継続したかったが、残留すら厳しい相手にまさかのドロー。
2点を先攻される苦しい展開で、なんとか勝点を1拾った。
CB陣が揃って軟弱なプレーをしたことが一番の原因で、個人的なプレーの質が低かった。
デラップがフルコンディションでないチームにしてやられたのはあまりにも残念。
まあCBの単体能力とマインドセットはマレスカのせいだけではないが。
後半開始からギュストを投入したが、ベンチにいるのならリース・ジェームズでも良かったのでは?
格下相手に痛恨のドローで、CL権から遠のく。
今後の相手が強敵ばかりであることを考慮すると、勝点3が必須の試合だった。
終わりに
やはり5位狙いで。
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