はじめに
今シーズンもこの季節がやってまいりました。
恒例の新監督、期待の新戦力、覚醒の新世代、木曜の深夜帯。
ECLって木曜26時とかにやるんですね、知らなかったです。
新しいものづくめの24‐25シーズン、半分過ぎたということで中間報告を行っていきます。
今年も何とか毎節採点は続けられており、この記事での採点も過去19節の平均点をとっております。
今回の採点対象も例によって、「リーグ戦でベンチ入り選手」としています。
極寒のカザフスタンで戦った若手選手たちには先に謝ったうえで、今季ここまでを振り返っていきます。
選手採点
GK
ロベルト・サンチェス 5.9/17試合
第2GKに甘んじた昨季を経て、今季は正GKに復帰。
足元や繋ぎを重視する新監督は、オールドタイプな昨季正守護神ペトロヴィッチを放出。
多少セーブに劣ることに目を瞑り、ロベルト・サンチェスを再び抜擢した、、、というのであればわかりやすいストーリーだが、話はそう単純ではない。
まず、サンチェスの足元が優れていないという事実。
一瞬でストーリーが瓦解している。
ついでにキックの「事実」と「自信」が見合っていないため、1試合に1回は判断ミスからポカをする。
一方で常人離れしたセービングやハイボールへの強さでチームを救う試合があるのもまた事実。
お気づきだろうか、そう、彼もまた本質はオールドタイプのGKなのである。
ボーンマス戦では超絶セーブを連発(採点:7.5)し、ブライトン戦では信じ難いミスを連発(採点4.0)した
色々な面で爆発力を兼ね備えたGKとして、常に批判と補強希望に晒された前半戦だった。
個人的には彼しかいないならまだしも、優秀な2ndGKの出場機会をもう少し増やしてもいいのでは?と思う。
フィリップ・ヨルゲンセン 6.0/2試合
今季ビジャレアルから加入した22歳。
スタメン想定かな?と思っていたが、サンチェスと二人で争ってねという主旨の獲得だった模様。
現在の立ち位置は2ndGK。
カップ戦ではコンスタントに出場機会を得ており、リーグ戦ではサウサンプトン戦でプレミアデビュー。
セービングは安定しており、キック精度もそこまで悪くない。
そしてサンチェスのようなポカもほとんどない、レーダーチャートが奇麗な選手という印象。
やらかし癖のあるサンチェスより良くね?という声が定期的に聞かれている状態は、獲得意図に合致しているということでもあるのだろう。
サンチェスより良くね?
リーグ戦での出場は昇格組相手の2試合に限られており、よほどのアクシデントがない限り今季はこのまま行きそう。
レベルが上がるカップ戦でのアピールから始める必要がありそうだ。
マーカス・ベッティネッリ ‐/0試合
ベッティネッリおじさん。
見たい。
DF
レヴィ・コルウィル 5.9/18試合
及第点には届かなかったものの、成長を色濃く感じさせる充実の前半戦。
昨季はなぜか左SBで起用されていたが、今季は左CBとしての起用のみ。
序盤戦は若さゆえのミスもあったが、試合を重ねるたびに安定感も増加。
今では現CB陣では頼れる存在になった。
というか現CB陣が稼働含めて不安定すぎるんですけどね。
ここまで怪我無く出場し、苦手だったパワータイプ系CFにも真っ向勝負できるように。
心身ともに、全体的なたくましさが一段増した。
攻撃での貢献度も高く、左足から繰り出す楔は攻撃の起点となっている。
フォファナ、バディアシル、アダラビヨオと相方が安定しない以上、DFリーダーとしての素質も見せていきたい。
ウェズレイ・フォファナ 5.6/12試合
前十字靭帯損傷の大怪我から再起を期した今シーズン。
コルウィルと共にファーストチョイスとして、開幕から連続してスタメン出場。
肝心のパフォーマンスはというと、リハビリシーズンとしては上々、CLを狙うチームのスタメンとしては微妙というライン。
ダイナミックなプレーで才能の片鱗を見せることはあったが、試合勘を含め上げていく必要がありそうだった。
中盤戦を迎える頃には徐々にコンディションも上がり、完全復活間近かというところで、今度はハムをやってしまった。
マレスカはかなり慎重に稼働させていたが、スぺ体質がそれを上回ってしまった。
なおなぜ前十字靭帯の後にハムをやるのか、林陵平氏の解説と合わせてご確認いただきたい。
林さんの知識に感服🫡
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) December 1, 2024
前十字靱帯の手術について📝
林「覚えておいて下さい皆さん!」
🏆プレミアリーグ 第13節 #チェルシー v #アストン・ヴィラ
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ブノワ・バディアシル 6.0/4試合
負傷により出遅れてシーズンイン。
序盤戦はカップ戦要員と化しており、そちらでも特に目を引く活躍ぶりではなかった。
転機となったのは12節のアストン・ヴィラ戦。
負傷したフォファナと交代すると、気合の入ったプレーでオリー・ワトキンズを封殺。
評価を高めて以後はコルウィルの相方に定着、、、するはずがたった3試合で再び離脱し新年を迎えてしまった。
スぺをスぺで穴埋めするのは無理だった。
左利きを二人並べる布陣は相当の練度を要するだけに、チームとしても本人としても痛い離脱だった。
目下リハビリ中であるが、お願いだから自信までリセットしないでくれ。
トシン・アダラバイヨ 5.9/9試合
さて、4人目のCB。
CB多すぎるのでは?と開幕時は疑念が持たれていたが、今や手薄なポジションにカウントして良いだろう。
プレミアリーグ、というかチェルシーCBのハムストリングスが魔境過ぎる。
フラムからフリーで加入した新戦力は、うーん、9試合出場とやや期待外れ。
経験値は一番高い(27歳が最年長もどうかと思うが)だけに、プレーの落ち着きや長身を生かした迎撃はGOODだが、ディレイとチャレンジの判断を間違えることもある。
カップ戦では安定感のある出来だが、まあ相手のレベルを考えればこれくらいやってほしい、というのが正直な感想。
怪我人によりスタメンになるも、「フリー移籍のCB」の前例が偉大なるチアゴ・シウバ御大のため我々の目は厳しい。
ちなみに自身のシュートは何度もポストに嫌われており、今だチェルシーのDFとしてデビューできていない。
アクセル・ディサシ 5.6/5試合
厳しい。
CB5人所帯なので本職ではない右SB的な起用が多かったのはエクスキューズだが、それでも厳しい。
パスに秀でる選手ではないため攻撃への貢献は求めないが、ECLのアタッカーにズバズバ抜かれるのはいかがなものか。
そこポジションとか関係ないだろという。
当然プレミアリーグでも許されるわけもなく、19節は痛恨のパスミスを含む2失点に関与。
崖っぷちのプレーヤーである。
マロ・グスト 5.8/16試合
世界で一番稼働している控えでお馴染み、マロ・グスト選手。
主将が同じポジション、という出場機会に恵まれなさそうな字面だが、今季もしっかり16試合を重ねた。
その16試合のパフォーマンスであるが、まだ戦術にフィットしきっていない様子。
大外を回る純正SBとしての評価が高いが、マレスカが好む中でのプレーや、後方でのCBチックなプレーはまだぎこちない。
意欲は見せているのだが、中に入ることで開けたスペースがピンチになることも多く、チームとしてはトントン以下。
普通に使えば極めて高い能力を発揮する選手でもあるので、後半戦は適応と使い分けが求められる。
リース・ジェームズ 6.1/4試合
採点6.1はまあいいだろう。
問題はその隣「4試合」である。
PSMでは元気溌剌とプレーしていたが、シーズン開幕直前に離脱。
8節から復帰しコンディションとペースを上げていった中、再びの離脱で2024年を終了。
フォファナ同様相当気遣われたのか、CBに近い上下動の少ないポジションで復帰したにもかかわらず、である。
レッグカール3000回やれ。
正直もう計算できない戦力になってしまっており、年々放出の論調も高まってきている。
年内最終戦でベンチに復帰し、25年はリスタートから。
ジョシュ・アチェンポン ー
マレスカが手元に残したいと主張した若手の1人目らしい。
ECLで徐々に出場時間を増やし、CBとSBを担当。
時間稼ぎや空気の体感以上の出場機会を得ている。
大柄をさらに大きく見せる堂々としたプレーに加え、柔軟な足元も魅力的。
アウトでボールを扱いながら体を前に入れることでプレス回避する姿は主将にそっくりである。
レッグカール4000回やっておくように。
適性を見てもディサシとかよりかは向いてそうなので、ぜひリーグ戦でもチャンスを掴んでもらいたい。
マルク・ククレジャ 6.1/17試合
激動の2024年を過ごし、最も成長したプレーヤー。
スペインのEURO優勝弾をアシストしてイングランドに帰還、チェルシーでもラロハでも不動の地位を築いている。
アグレッシブなスタイルはそのままに、攻撃ではキラーパスやゴール前への飛び込み、守備では駆け引きに磨きがかかった。
昨季は偽SB戦術で新境地を開拓したが、今季も攻守ともにさらに一段上のプレーヤーに進化している。
なお再び髪を引っ張られていたが、今回はしっかりとレッドカードが提示された。
Embed from Getty Imagesロメロ事件から一転、セインツのスティーブンスは無事退場となり、やっとルールも味方になった。
2度のスリップでガッツリ2失点に絡んだスパーズ戦は最悪の開始15分だったが、不屈のファイターらしく試合中にスパイクを変え再起。
それが負け試合に繋がらないあたりも、ノッテいるということなんだろうなあ。
レナト・ヴェイガ 5.9/7試合
スイスから若手を取る、と聞いた時にはあまり期待しておらず、まあリーグアンあたりにローンかなと思っていた。
トップ残留にも驚いたし、意外な万能性にはもっと驚かされた。
採点こそ5.9で試合数も少ないが、ECL含め随所で存在感を発揮。
左SBでの出場機会が多いが、CBも出来る強さと中盤もこなせる技術を持ち、セットプレーの迫力から絶妙なラストパスも繰り出せる。
若手スカウト部隊、かなり優秀だと思う。
感情を露にして戦うスタイルも人気の一因で、加入半年ながらサポーターからの支持も熱い。
無理やりグストやジェームズを左SBに回すくらいなら、もっと信頼しても良いのでは?
ベン・チルウェル(特別枠/0試合)
夏に移籍がまとまらず、完全に干される格好に。
戦術と合わないのは仕方ないとして、このレベルの選手にはもうちょっと何とかならないのかねえ。
ECLも登録外で、今季の出場はカラバオ杯の45分のみ。
冬に適切な移籍先が見つかることを祈ろう。
厳しい状況ながら、笑顔でトレーニングに励むインスタグラムは哀愁を誘う。
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