こんにちは。最近こんな感じの記事多めで困っている私です。というか来季出ていきそうな選手から順番に書いてる感じが・・・。まあ気にせずやっていきます。
同調
チームが好調の時は好調、不調の時は不調という選手がいる。だがそれは相関関係として正解なのだろうか。彼の調子にチームが左右されている可能性もあるのではないか。
マルコス・アロンソはどちらのタイプになるだろうか。今季のチェルシーは見事なスタートを切った。その中心にいたのは紛れもなく彼だった。
コンテ政権でも猛威を振るったその攻撃力で得点を量産。パワフルな左足と迫力ある空中戦、機を見たエリア内への侵入はチェルシーの大きな武器だった。
前所属のフィオレンティーナ時代からWBを担当しており、久々の左SB。後ろに一人(といってもカバーが得意とは言えないギャリー・ケイヒルであることが多かったが)いた3バック時代とは変わった。守備の責任は大きくなったことを指摘する声もあったが、それを上回る攻撃力でチームを牽引した。
ところが徐々に暗雲が立ち込める。対戦相手が傾向を掴みだし、チームもELやカップ戦による過密日程に苦戦を余儀なくされる。
マウリシオ・サッリもスタメンを入れ替えたがる監督ではなかったため、主力は疲労が溜まっていった。
元々SBは運動量が求められるポジションである。チェルシーでは逆サイドのセサル・アスピリクエタの鉄人ぶりが異常なだけで、本来ターンオーバーがもっとも求められる場所である。事実アスピリクエタもシーズン中盤にはやや本調子ではないと見受けられる試合も少なくなかった。
降格
だんだんとかみ合わなくなってきたチームのやり玉に挙げられたのがアロンソだ。元々スピードのある選手への対応は得意ではなかったが、疲労のためかさらに後手に回ることが増えた。クロス精度の低さや足元の技術にも批判が集まり、ELで堅実なプレーを見せていたエメルソン・パルミエリの出場を渇望するサポーターも増えてきた。
そしてサッリは決断を下す。冬の過密日程の中、いよいよエメルソンがアロンソをベンチに追いやったのだ。サッリは確かにシーズン途中からスタメン選考に関して柔軟になりつつあった。しかしイングランド初タイトルをかけたリーグ杯の準決勝と決勝でエメルソンが240分戦ったことは、明確に序列が入れ替わったことを示していた。
エースのエデン・アザールとのコンビネーションでも若きイタリア代表SBが上を行くようだった。外を回るエメルソンには何度かパスを出すことはあっても、アロンソがオーバーラップする場合は自分で仕掛ける。アロンソのクロスの成功率を考えれば可能背の高い方を選択しているだけなのだろうが。
エメルソンが出色のパフォーマンス、というわけではなかったが、それまでのアロンソのプレーよりかはマシであり、また将来性も考えこのまま行って欲しいと願うサポーターも多いに違いない。
再起
ところがアロンソはこのままベンチで終わる男ではなかった。過密日程であること、エメルソンがそこまで絶対的地位を築いているわけではないこと、ELも捨てられない状況であること。巡ってきたチャンスは強豪トッテナムとの一戦だった。
マッチアップしたのはケインと並ぶトッテナムの2大看板となったソンフンミン。試合前から不安視するサポーターは多かった。ソンのスピードに翻弄される姿は想像に難くなかった。
ところがスペイン人レフティーはアジアのエース相手に堂々の立ち振る舞いを見せる。危険な抜け出しに落ち着いて対応したシーンには疲労が抜けたベストコンディションであることを感じさせた。
更に輝きを見せたのはEL準々決勝、スラビア・プラハ戦。停滞する攻撃、思うように攻撃が進まない中で、アロンソも試合の大半はいつものように批判にさらされた。「左SBは補強必須だな」。この日もいつもと同じような言葉が繰り返された。
しかしこの日は状況が違った。
迎えた86分。ウィリアンのクロスに反応したのはオリヴィエ・ジルーともう一人。いつもと同じようにエリア内に侵入するとFW顔負けのヘディング。貴重なAGを奪いチェルシーを準決勝に導く立役者となった。
決して足元が大きく向上したわけでもない。足が速くなったわけでもない。活躍した試合でも弱点は目立った。
それでも、そんな時こそ彼は点を取る。敵陣エリア内に侵入するDF。アンタッチャブルこそ彼の特徴の一つだ。
ラストチャンス
そして今日、4位チェルシーは6位マンチェスターユナイテッドとリーグ戦最後のビッグマッチを迎える。エメルソンは帯同せず、アロンソのスタメンが濃厚との情報もある。
勝てば3位と勝点で並ぶ一方で、負ければCL権は大きく遠のく。今季最後のビッグ6との一戦はアロンソにとってもスタメン奪回のためのラストチャンスになる可能性がある。
CL権、スタメン、放出。あらゆるボーダーに立つチェルシーとアロンソ。チームが彼に引っ張られるのか、彼がチームを引っ張っているのか。その答えは定かではないが、彼が輝いたときこのチームが輝くのは間違いない。
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[…] 重なるアンタッチャブル。岐路に立つマルコス・アロンソ クロス精度はリーグワースト。シュート精度はリーグ屈指。 […]