23-24 第31節 vsマンチェスター・ユナイテッド(H)選手採点

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はじめに

新たな選手と生きていきます。

得点者

チェルシー 4-3 マンチェスター・ユナイテッド

得点:前半4分 コナー・ギャラガー、前半19分、後半 55分、後半56分コール・パーマー(チェルシー)/前半34分、後半22分 アレハンドロ・ガルナチョ、前半39分 ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)

試合前

圧倒的優位に立ちながらも、前節バーンリー戦では勝点2を落としたチェルシー。

コール・パーマーの2ゴール、さらには数的にも勝る展開ながらあっさりとゴールを献上。

最後はなぜか互角以下の試合となり、あわや勝点1さえ怪しくなる試合運びをしてしまった。

ヒーローになるはずだったパーマーが不満をあらわにしたのも無理はない。

同じくポチェッティーノ監督も不平を述べたが、彼は自身の責任も多分にあるのでは。

なんとも言い難い。

ここぞの試合に特に弱い今季のチェルシー。

不調は長引き、浮上のきっかけをあと一歩でつかめない。

対するマンチェスター・ユナイテッドも本調子には程遠いフットボールで、前節のブレントフォード戦は同じく引き分け。

劣勢をなんとか耐え凌ぎ、後半ATに元チェルシーのメイソン・マウントがこじ開けた。

ところが直後に被弾し、内容でも劣り、展開的にも悔やまれるドローゲーム。

もはやビッグ6と呼んで良いかも怪しくなってきた両チームの対戦だ。

野戦病院化に苦しむチェルシーは、前節腿裏を抑えたマロ・グストの状態も不安視されたが、なんとか間に合った。

一向にスタメンの定まらないDFラインは、ユナイテッドも同様。

ルーク・ショーやリサンドロ・マルティネスという実力者はいるものの、どちらも欠場が濃厚だ。

対して両チームの中盤にはクオリティがあり、前線にはブレイクしたウインガーも抱えている。

と思いきや奮起が必要な選手も多いところも似ており、ラヒーム・スターリングやマーカス・ラッシュフォードらは厳しい評価が並んでいる

実際、この試合で両者はベンチとなった。

共通点の多い2チーム。

双方がここを叩いて僅かでも上を狙いたいという試合になる。

前回対戦ではホームのユナイテッドが躍動。

マクトミネイが2ゴールを奪い勝利を飾っている。

低迷する名門、浮上を狙う強豪、悪い流れを断ち切るには格好の相手。

バーンリー戦と全く同じスタメンを選んだチェルシーに対し、ユナイテッドは件のラッシュフォードら数人を入れ替え。

古巣対戦となるメイソン・マウントはベンチから出番を伺う形になった。

試合内容

開始からインテンシティ高くぶつかり合う両チーム。

中盤やサイドで激しく身体をぶつけ合う。

好ゲームを期待させる入りに、結果が乗ったのはホームチームだった。

エンソ・フェルナンデスの展開からマロ・グストが抜け出してクロス。

相手にあたったボールにコナー・ギャラガーがいち早く反応し、右足を一振り。

カゼミロの股を抜く幸先の良い先制点で、チェルシーが先手を取った。

出鼻を挫かれたユナイテッドは久しぶりの先発となるアントニーを起点に攻撃を展開。

二度のフィニッシュを放つが、どちらもペトロビッチが抑えた。

新星、コビー・メイヌーがクオリティを見せガルナチョにチャンスが来た直後に、チェルシーにビッグチャンス。

ムドリクのパスに抜けたククレジャがエリア内でアントニーと接触。

二試合連続で左サイドからPKを獲得すると、二試合連続でコール・パーマー。

落ち着いたPKで大きな追加点を奪った。

デュエルの頻発する試合で輝きを見せるのは先制のスコアラー。

ギャラガーが中盤で何度も激しいチャレンジを見せ、カウンターへ繋げる。

その流れでムドリクがトップスピードに乗るが、左足は枠を外れた。

前節課題のセットプレーもしっかりと守れていたチェルシーだったが、またも自滅癖が顔を出す。

一時はマイボールにしたかと思われたボールをカイセドが不用意な横パス。

これをガルナチョにさらわれ、1点を返される。

もったいないミスで自ら流れを失ったチェルシーは今日もそれを変えられない。

自分たちのCKからカウンターを受けると、今度はダロトのクロスにブルーノ・フェルナンデス。

学習能力のなさをまたも露呈し、あっさりと2点のリードをフイにした。

あまりにも見慣れた、あまりにも低レベルな試合運び。

湧くユナイテッドサポーターに対し、沈黙のスタンフォード・ブリッジ。

返したいチェルシーは再びギャラガーが狙うが、ポストに阻まれる。

成長が皆無なチェルシーが再び拙い試合展開を露呈する形で前半を終えた。

後半はやはりというべきか、マンチェスター・ユナイテッドがペースを握る。

前半にも増してオープンな展開となると、双方にシュートチャンスがこぼれるが、決定力を欠く。

まるで後半ATのような雰囲気にも関わらず、どちらのチームにも落ち着かせる気配や選手はいない。

パーマーやブルーノ・フェルナンデス、前半の得点者への再チャンスは仕留めきれず。

奇跡的にスコアが動かないまま後半15分が過ぎるが、大味な展開は変わらず、次のチャンスはとうとうユナイテッドがものにした。

不安定なプレーの続いていたバディアシルがインターセプト後のコントロールを誤ると、アントニーが見事なクロス。

ペトロビッチも目測を誤ると、ガルナチョが頭で流し込み、ユナイテッドが逆転する。

お粗末すぎる失点の直後、怪我明けのチュクエメカとスターリングが投入される。

さらにディサシ、グストの交代を敢行するが、チャロバーとギルクリストでは火力を下げる形になった。

撤退気味のユナイテッドに対し遅効が続くチェルシーだが、持つ展開ではほとんどチャンスを作れない。

CBが2枚負傷交代したユナイテッドはわかりやすくスペースを埋め、チェルシーはその前で止まってしまう。

時間を稼ぎたいユナイテッド。

いよいよメイソン・マウントも凱旋し、ボールキープに入る。

クロージングに入ったユナイテッドの前に、攻めあぐねるチェルシー。

万事休すかと思われたが、大仕事を果たしたのは途中出場の投入されたばかりのノニ・マドゥエケ。

右サイドから得意のドリブルを開始すると、フレッシュさを活かしてダロトを突破。

濡れたピッチに足を取られたこともあり、バランスを崩したダロトはたまらずファール。

この日2つ目となったPK、この日2回目のパーマーは恐ろしい強心臓で同じコースに叩き込んだ。

歓喜に湧く中、勝利を目指しすぐにボールをセットするパーマー。

報われたのはわずか1分後。

カウンターは仕留め切れなかったものの、それで得たCKから再びパーマーが左足を強振。

迷いなく狙ったシュートは集中を欠いたユナイテッドのDFを抜け、最後はマクトミネイに当たりゴールイン。

後半終了間際、わずか2分の大逆転劇だった。

試合はこのまま終了。

コール・パーマーのためにあるような試合で天敵を撃破したチェルシーが勝点3を獲得した。

選手採点

GK

ジョルジェ・ペトロビッチ 5.5

前半に2失点を喫したが、GKというかその前段階に問題あり。

一方後半は飛び出しを誤り、3失点目を献上してしまった。

キックも安定感を欠き、悩めるチームを救うには至らず。

失態という程ではないが、ビッグセーブも見せられず、採点は低め。

DF

ブノワ・バディアシル 5.0

再び安定感のないプレー。

集中力を欠いているのか、認知が甘いシーンが目立つ。

カウンターのエクスキューズは有りつつ、2失点目は棒立ちで見送る格好になってしまった。

3失点目にはより直接的に絡む形となり、不安定の象徴に。

復帰からパフォーマンスが安定せず、岐路に立たされている。

アクセル・ディサシ 5.5 

何度かセットプレーからチャンスが訪れるも枠に飛ばせず。

本職の守備で自身のサイドを崩されはしなかったが、3失点は満足できないだろう。

気迫のガッツポーズを見せるシーンもあったが、それが自身のパスミスで招いたピンチのブロックなのはいかがなものか。

高評価とできるプレーは残せず、後半途中でベンチに退く。

マロ・グスト 6.5

負傷が懸念されたが、さすがに出さざるを得なかった。

疲労はかなりありそうだが、それでも期待に応え1点目に絡む。

戻りきれなかったり、抜かれる場面もあったが、それでもよく頑張ってくれた方ではないか。

大事を取ってか、後半途中交代。

奮闘ぶりは称えたい

マルク・ククレジャ 5.5

気迫溢れるアグレッシブなプレーと果敢なランニングから2点目となるPKを奪取。

一方で守備面ではアントニーに先手を取られるシーンが目立ち、3点目のアシストを許してしまう。

攻撃でも徐々に存在感を失い、アントニーとのスピード勝負に負ける場面が複数クローズアップ。

姿勢は買いたいが苦戦は否めず、及第点にはできない。

MF

モイセス・カイセド 4.5

擁護できないパスミスで、試合の流れを渡してしまう。

一度のミスでその後の時間のすべてを失ってしまうチームにおいて、痛すぎるミス。

カオスなチームのしわ寄せになっているのは気の毒だが、それ以上に重いミスだった。

彼も勤続疲労は致し方ないが…

エンソ・フェルナンデス 6.0

ゲームメーカーとしてボールを捌く一方、守備でも戦う。

ただ彼の技術を加味すればもう少し展開のコントロールは出来たはず。

行って来いの流れを変えられず、打ち合いに乗る格好に。

ボールを渡された最終盤は穴を見つけるべくトライを続けた姿勢が、最後のコーナーからのアシストにも繋がった。

メイソン・マウントとぶつかるシーンもあり、スタジアムを熱くした。

コナー・ギャラガー 6.5

激しい展開に水を得た魚のごとく躍動。

開始直後に1点目を仕留め、前半終了間際にはドッピエッタのチャンスも。

ファイティングスタイルは良いものの、中盤のプレーヤーとしてはもう少し落ち着きもほしい。

後半はファイナルサードで丁寧さを欠き、ベンチに退く。

FW

コール・パーマー 8.0

毎節恒例となってはいるが、今日も別格、別次元のプレー。

対面のダロトを圧倒し、二本のPKもしっかりと沈め、最後は渾身の決勝弾。

技術はもちろん、圧巻なのはそのメンタリティ。

二本のPKを同じコースに蹴り込む大胆さ、隙を逃さない落ち着き、そして何より最後まで勝利を諦めない強い気持ち。

エースの座を確固たるものにする、見事なハットトリックだ。

ミハイロ・ムドリク 5.5 

躍動した前節とは異なり、淡白なプレーが目立つ。

ただこれまではそうした中だと「悪い」プレーになっていたのが「淡白」程度で済むようになったとも言える。

得意のスピードを活かし、シュートチャンスは何度か得たが、どれも枠には飛ばしきれず。

カットインからのシュートはそろそろ決めたい。

ニコラス・ジャクソン 6.0

キープ力や収まりの良さは群を抜き、後ろ向きでも前向きでも仕事ができる。

一方でエリア内での仕事は物足りず、CFとしての怖さは見せられず。

無論チームの得点を誘発しているという点では貢献しているのだが。

マグワイアやエバンスといった相手ならもう少し決定的な仕事をしたかった。

交代選手

ラヒーム・スターリング 5.5

ムドリクに代わり途中出場。

それなりの時間を与えられたが、求められているプレーには遠かったか。

決して良い受け方ができていないわけではなかったが、エリア内で効果的なプレーはできず。

ヒーローの座は後輩に譲った。

カーニー・チュクエメカ 6.0

ギャラガーとの交代で投入。

引かれた相手に苦戦しながらも、攻守で絡もうとする姿勢は見せた。

ギャラガーほどの運動量はないものの、足元ではチュクエメカのほうが上に見える。

最後は積極的なシュートで、逆転のCKを獲得する

アルフィー・ギルクリスト 5.0

時間制限であろうグストと交代。

比べるのが酷な相手ではあるが、火力不足は露骨に顕現。

状況を考えればもう少しリスクをとっても良かった。

技術に自信がないのかもしれないが、無駄走りでも貢献できる部分はあるはず。

トレヴォ・チャロバー 6.0

全く彼のせいではないが、ビハインドの中では不可思議な交代。

ディサシの温存だろうか。

ほとんどユナイテッドが攻めなかったとはいえ、混沌とした試合の難しい途中出場もそつなくこなす。

ミスなくこなした点は評価して良いだろう。

ノニ・マドゥエケ -

短い出場時間ながら値千金のPK奪取。

違いを見せるドリブル突破はらしさ全開、唯一無二の武器。

パーマーにスポットライトを奪われてしまったが、間違いなく逆転劇の立役者だ。

監督

マウリシオ・ポチェッティーノ 5.0

同じ展開を何度も何度も繰り返す。

と前節書き出していたが、今節も同じことを書きたい。

もちろん個人のミスはあれど、試合の流れを全くコントロールできず、立て直すこともできない。

パーマーに救われたが、改善の様子が見られないのはあまりにも苦しい。

劇的な展開に酔いしれつつも、二日酔いしているわけにいかない。

終わりに

エンソとマドゥエケはチェルシーユース出身です。

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