はじめに
年末の過密日程が見えてきました
得点者
チェルシー 3-0 アストンヴィラ
試合前
ビッグ6との連戦をドローで耐え、レスター戦はしっかりと勝ち切ったチェルシー。
続くカンファレンスリーグは珍しい4大リーグ対決。
昨季昇格組ながらブンデス8位の躍進を遂げたハイデンハイムは、さすがにこれまでと同じようにはいかず、相応の苦戦を強いられた。
それでもGKフィリップ・ヨルゲンセンが好守連発で守備を支えると、攻撃陣は復帰したサンチョが躍動。
らしくない決定機逸も含みつつ1発を仕留めたエンクンクとムドリクの強烈な右足をお膳立て。
カザデイが退場するアクシデントはあったものの、終わってみれば0‐2。
ECL無敗対決を制し首位をがっちりとキープしている。
さてリーグ戦に目を戻そう。
首位リバプールを除き団子状態の上~中位層は毎節が潰し合い。
日ごとに激しく順位が入れ替わる中、今節の相手は難敵アストンヴィラである。
今季はCLとの両立にやや苦しみ、昨季の勢いが落ちてきている印象もある。
直近のリーグ戦ではクリスタルパレス、CLではユベントスと分けており、勝点を思うようには積めていない。
7戦勝ちなしと落ちているタイミングなだけに、チェルシーとしてはここで叩いておきたいところ。
前節欠場したマロ・グスト、ペドロ・ネトもスカッドに戻り、リース・ジェームズ以外が揃ったチェルシー。
対してヴィラはアンドレ・オナナ、ジェイコブ・ラムジーが不在となる。
ロス・バークリーやイアン・マートセンといった面々はこの試合が古巣対決に当たり、特にバークリーは前節ゴールも奪っている。
恩返し弾(の被弾)が十八番のチェルシーには気を付けたいプレーヤーである。
ECLで活躍したヨルゲンセンを期待する声もあったが、スタメンGKはロベルト・サンチェス。
注目はバックラインで、DF登録はコルウィル、フォファナ、ククレジャの3人。
本職の右SBがいない守備陣に対し、中盤はカイセド、エンソ、ラヴィアで、普段より+1枚
マレスカが唐突な布陣変更を見せる格好になり、右SBの位置にカイセドが入った。
さらにここまでリーグ戦で出番を掴んでいたマドゥエケに代わりネトが、ECLでも出たサンチョがスタメンに。
これまでの路線をガラリと変える戦術で、年末の連戦の手札を増やしに来たか。
対するヴィラはオーソドックスな布陣。
ユベントス戦から多少の入れ替えはありつつも、ワトキンスやロジャーズらの主力が並んだ。
選手採点
GK
ロベルト・サンチェス 6.5
ヨルゲンセンの評価が高まる中での先発出場。
11セーブを記録した2ndGKに負けじと、序盤と終盤のワトキンスを見事にストップ。
この日は相手のエミリアーノ・マルティネスのやらかしが目立ち、自身は多少キックミスはありつつクローズアップされなかった。
展開的に不意のピンチが多くなったが、終盤まで的確に対応。
1stGKとしての意地を見せた。
DF
レヴィ・コルウィル 6.5
非保持時は左CB、保持時は3バックの中央の立ち位置で守備陣を牽引。
フォファナとワトキンスが裏の取り合いをする中、自身は前に出る守備でトップ下のプレーヤーを何度も潰した。
ビルドアップにも安定感があり、CCBとしてのクオリティは十分。
後半には何度も決定機に体を張り、ヴィラのコースをきっちりと塞ぐ。
自身の活躍で掴んだといって良いクリーンシートは嬉しいところだろう。
ウェズレイ・フォファナ 6.0
オールコートマンツーという戦術の都合上、エースCFとタイマン勝負。
フィジカルを活かした守備で魅せる場面もあったが、相手の老獪さにやられる場面もあり、完璧とは言えず。
CBへの負荷の高い戦術は彼の腿にも負荷が高かった。
60分でハムストリングスをやってしまい、無念の負傷交代。
本当にこの体質だけは、、
マルク・ククレジャ 6.5
開始早々から鋭い出足を披露すると、勢いそのままに先制点をアシスト。
3バックの左に近い立ち位置でのビルドアップでも貢献し、サンチョやエンソとよくボールに絡んだ。
相手にガッチリと付く戦術は自身の適性とも相性が良く、積極的なプレスと運動量でサイドを疾走。
最近はリトリートやエリア近辺でのポジショニングにも安定感があり、最適解を選ぶ感度も高まっている。
完全に一皮むけており、チェルシーの左サイドの核となっている
MF
ロメオ・ラヴィア 6.5
痛恨のPK献上となったレスター戦の反省を生かし、タイトかつクリアな守備で決定機を阻止。
柔らかいスキルと体の強さを活かし、ボールの前進にも大きな貢献を果たす。
剛柔合わせたプレーで中盤を制圧した。
この日は出場時間も長く、80分以上プレー。
ラヴィアが元気だと非常にやりやすい。
3枚での挑戦的な起用は間違いなく新しいカードになりそうだ。
モイセス・カイセド 6.5
この日は右SBで出場。
慣れないポジションながら、攻撃時はCMFの位置に入ったので、そこまで違和感はなかったか。
右だろうとDFラインだろうとその存在感は衰え知らず。
何なら増している?
1つのオプションとして、というか極めて有効な戦術であることの顕示に成功した。
しかしそれにしてもとんでもない選手だ。
エンソ・フェルナンデス 7.0
ここ最近の高パフォーマンスも買われ、再びシャドーの位置で起用される
得点に絡みだしたエンソ・フェルナンデス、いよいよ無敵である。
エンソは3列目、という定説があった中、攻撃的な位置にも順応しだしたか。
トーキック気味の右足で貴重な追加点をあげ、いよいよ新境地を開いた感がある。
組み立ても走り込みも精力的にこなし、あらゆるタスクを完遂。
好調ぶりをいかんなく発揮している。
FW
コール・パーマー 7.5
シャドーのポジションで持ち前のクリエイティビティとアイデンティティを存分に発揮。
エンソへのアシストを前半に記録すると、後半にはダメ押しのゴラッソを披露。
前半は好機を逃していたが、後半に超絶コースを難なく沈めてお役御免。
1得点1アシストと攻撃面ではもちろん言うことは無く、守備時のポジショニングも見事だった。
意外にも少し遠ざかっていたゴールを取り戻し、再度量産体制に入る。
ペドロ・ネト 6.0
最も得意とする右で先発すると、危険なクロスを何度も供給。
鋭いスプリントは守備での貢献度も高く、プレスバックとプレッシャーでも脅威に
パウ・トーレスを制限する役割は戦術の要で、ヴィラのビルドアップを確実に封じた。
後半途中からは左に回り、緩急のあるドリブルで時間とチャンスを創出。
悪くないプレーを見せていただけに、結果が付いてくればなおよかった。
ジェイドン・サンチョ 6.0
小気味よいドリブルで左サイドの起点に。
先制点のシーンでククレジャを押し出すなど、周りのプレーヤーと連携し攻略を図る
この日はシュート意識も高く、カットインからの右足も多用。
元々周りを使うのが上手い選手だが、さらに練度が上がってきたか。
連戦ということもあり、後半の早いタイミングで交代。
ニコラス・ジャクソン 7.0
絶好調のCFは今日も先制点を奪取。
エリア内で難度の高いボレーを沈め、確かな成長を感じさせる。
前半にはもう1本意外なプレゼントが相手GKからやってきたが、驚きが勝ったか決めきれなかった。
まあ見ている全員驚いたので仕方ない。
後半にも好機を二つ迎えたが、ここは昔のニコラス・ジャクソン。
とはいえ難しい試合でのゴールは非常に大きく、役割は十二分に果たした。
次節も見据え、後半途中でベンチに下がる。
交代選手
ブノワ・バディアシル 6.0
フォファナの負傷を受け後半途中出場。
ワトキンスとデュランの強力2トップが相手になったが、冷静なプレーで試合をコントロール。
利き足的に難しい右CBの位置だったが、ビルドアップにもスムーズに参加。
持ち味だった安定感が徐々に戻ってきているようにも見え、フォファナの離脱期間次第では重要なオプションになりそうだ。
クリストファー・エンクンク 6.0
ジャクソンに代わり1トップの位置に。
9.5番のように下りながらボールを受け、周りの選手の上がりを促す。
自身にも一つ振れるシーンが訪れたが、ここは惜しくも枠の右。
動きは悪くなかっただけに、長い時間が与えられないのはやや不憫。
ライバルの動きがそれ以上に良いのだから仕方ないのだが、、、
ノニ・マドゥエケ 6.0
久しぶりのベンチスタートとなり、後半途中から参戦。
コントロールされた展開の中で仕掛けの回数はやや限られた印象。
それでも守備面含めタスクは果たしたと言えるだろう。
一方で最後のチャンスは仕留めきれず。
ちなみにパーマーのスーパーゴールにはアシストをした格好となり、前節のブロックを返済した。
ジョアン・フェリックス -
マロ・グスト ‐
監督
エンツォ・マレスカ 7.5
ヴィラの構造を破壊するシステムで、90分を完全に支配。
決して簡単な相手ではなかったはずだが、連戦を見据えたか新しいチャレンジを敢行。
効果のほどは間違いなく、マレスカの意欲が実を結んだ大きな事例になりそう。
選手交代も的確で、次節も見据えた交代。
フォファナの離脱は想定外だろうが、バディアシルの復調も誘うことに。
若手集団を引っ張り、しっかりと上位陣を追走。
毎試合楽しみな監督になってきた。
終わりに
これが、完勝か、、!
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