はじめに
佳境。
得点者
フラム 1-2 チェルシー
得点:前半20分 アレックス・イウォビ (フラム)/後半38分 タリク・ジョージ、後半48分 ペドロ・ネト(チェルシー)
試合前
イプスウィッチと痛恨のドローを演じ、順位が6位にまで落ちたチェルシー。
軽率な2失点は最後まで重く、ジェイドン・サンチョのゴラッソも勝点1を拾うのが精一杯だった。
直近安定していたはずの守備が機能せず、GKを含む守備陣は物足りない印象だ。
ミッドウィークに行われたECLも低調な出来。
1stレグで0‐3と快勝し、ホームではさらなる圧倒が期待されたが、蓋を開けてみれば1‐2でまさかの敗戦。
トータルスコアでからくもベスト4進出を決めるという、不甲斐ない試合になった。
大きなアドバンテージに胡坐をかき若手主体で挑んだ結果、、、ならわかるが、相応に主力を出してこの結果なのが苦しい。
これ以上の敗戦はどのコンペティションでも許されなくなった。
リーグに戻り今節はフラムと激突する。
プレミアリーグも佳境に入り、CL権争いも最終盤。
チェルシーはこの後、リバプール、ニューカッスル、マンチェスターユナイテッド、ノッティンガム・フォレストとの対戦を残している。
強敵が揃うことを考えると、曲者フラムが相手とは言え、確実に3ポイントが欲しい。
しかしスタンフォードブリッジでの前回対戦では終盤の2ゴールでフラムが逆転勝ち。
最近の低調なプレーを考えると、クレイヴンコテージでの一戦は難しい試合になりそうだ。
選手採点
GK
ロベルト・サンチェス 6.0
正直言うとこの試合の印象はほとんどない。
というかこの試合自体がほとんない。
フラムのゲームプラン通りだったと言って良い。
唯一最大の決定機を仕留められ、ビハインドを追う展開に。
いつものキックミスはなかったが、まあ技術というより展開の問題。
とはいえ難しいシーンでも判断ミスはなかったため、及第点は妥当か。
DF
レヴィ・コルウィル 5.5
左CBで先発出場。
フラム優位の試合展開の中で、イウォビを止めきれず失点。
バイタルが空いた時や、横パスからの寄せが毎回曖昧になる印象。
攻撃でも得意の左足やセットプレーからの迫力はなく、悪い意味で無難なプレー。
展開的に押し込まれる時間こそなかったものの、安い失点は気になるところ。
トレヴォ・チャロバー 5.5
コルウィルと並び先発出場。
前節のトシンのプレーを見るに妥当としか言えない起用ではある。
ただチャロバーがすごく良いか、というわけでもないのがこのチームの残念なところ。
コルウィル同様、最後の寄せが甘い感は否めず。
持たせる相手に対し、持ち上がりからの打開を図れれば良かったが、ベクトルを折るプレーは出来ず。
さらに押し込んだ後半は比較的落ち着きを取り戻していた。
リース・ジェームズ 5.0
コンディションが上がらず。
復帰以後相応に気を使われて起用されているように見えるが、この日は全体的に重そうに見えた。
ECLでは最初から中盤に置かれていたが、この日は右SBから中盤に入る形。
実況解説陣から指摘されてもいたが、可変式だとさらにぎこちなくなっている感。
判断の遅れからボールを奪われ、失点の起点となってしまう。
不甲斐ない出来と言わざるを得ず、前半でピッチを去る。
マルク・ククレジャ 6.0
果敢に仕掛けるセセニョンに手を焼きながらも、決壊は許さず。
サイドでの一対一の強さは本当に頼りになる。
レーンが被っていたネトとのコンビはなかなか攻略に時間を要したが、サンチョ投入の恩恵を受ける。
インナーラップやエリア近辺での引き出しが増え、自ら右足で打つ場面も。
上下動からのクロスもあり左からの圧にも貢献。
得点こそなかったが、再現性のある攻撃を見せた。
MF
モイセス・カイセド 6.0
痛恨のイエローで2試合出場停止。
と思いきやなんと出れるようになったらしい。
助かった。
ここ最近はカイセドを如何に回避するか、が各チームの議題になってるように見える。
非常に正しいと言わざるを得ない。
カイセドが間に合えば守れる、間に合わなければ守れないという状態はいかがなものか。
圧力を高めた後半はらしさを取り戻し、前に後ろにと推進力を見せた。
エンソ・フェルナンデス 6.5
カイセドとのコンビを生かせた時は勝てる時。
逆に無力化された前半はビルドアップからかなり酷かった。
守備も最後が間に合わず、目の前で失点。
整備し直された後半は右サイドを主に何度も上下動。
個人で千切る選手ではないのだが、タイミングが良いのだろう。
落ち着いた右からのパスで逆転弾のアシストを決める。
FW
コール・パーマー 6.0
なんとかしたいという気概はよく見える。
チームのことも、自分のことも。
ここ最近はなりふり構わない様子も見せているが、まだ得点には結びつかず。
この日も好機で大きくふかしてしまうなど、らしくないプレーが散見。
それでもネトとの絡みでジョージの同点弾を引き出し、逆転弾の起点にもなる。
面目は一定保った格好だ。
ノニ・マドゥエケ 5.5
前半はほとんど存在感無し。
一つあった素晴らしい突破も、後述のCFが仕留めきれず。
その後は突破がほとんどなく、キレのあるプレーは封じられた。
まあ構造上、そして後ろのジェームズのコンディション上なかなかサポートが得られないのは可哀想なのだが。
前半のみで交代となった。
ペドロ・ネト 7.5
圧巻の左足。
強烈な左足でレノをぶち破り、値千金の決勝ゴール。
左で出場した前半もよく戦っており、クロスで数少ないチャンスを作る。
後半からは右に移り、得意のカットインからのプレーが増加。
抜け出しからの好機も作ると、冷静な落としからジョージのゴールをほぼアシスト。
さらに迎えた後半ATに見事なゴールで憂さを晴らす。
マドゥエケとの熾烈なポジション争いで、大きなアピールとなる試合になった。
ニコラス・ジャクソン 5.5
前半決定機が訪れるもシュートに持ち込めず。
優秀なFWであることに間違いはないのだが、うーん、やはりエリア内で一仕事見たい。
予測の問題なのか、余計なタッチが目立つ。
後半はさらに押し込む時間が続いたが、CFとして名前を呼ぶシーンはあまりなかった。
得点が欲しい中で、ジョージに出番を譲ることになったが、そのジョージが見事なゴール。
危機感からの覚醒を期待したい。
交代選手
マロ・グスト 5.5
後半の頭から途中出場。
サンチョとの同時投入となった。
精彩を欠いたジェームズとの交代となるが、新しい風を吹き込むには至らず。
こちらも林さんの解説に与えられたロールをダメ出しされていた。
まあそりゃそうだろう。
ただこれはマレスカの責任なのでグストは気の毒だ。
一方で試合終了間際にハムストリングスを痛めて途中交代。
心配だ。
ジェイドン・サンチョ 6.0
機能不全のオフェンスを改善すべく後半から出場。
左からの仕掛けでアクセントをもたらし、自らフィニッシュに持ち込む場面も。
GKに阻まれ自身の得点とはならなかったが、流れを作ったのは事実。
苦しい時間帯でもボールキープに力を発揮し、強引に打ち切る姿勢も◯
間接的な貢献は認めたい。
タリク・ジョージ 7.0
懐疑的だった0トップでの出場。
右足の一閃で一気に振り払った。
元々WGタイプの選手だが、0トップという立ち位置で結果を残す。
ECLではなかなか同じポジションで存在感を示せなかったが、その経験は無駄ではなかった。
同点ゴール以外の貢献度は決して多くはなかったが、そのゴール自体が素晴らしい。
若手FWにとって大きな得点となった。
トシン・アダラバイヨ ‐
監督
エンツォ・マレスカ 6.0
前半は完全にしてやられた。
後手を踏んだとしか言えず、確実に負け試合コースだった。
唯一褒められるのは損切りの勇気か。
ジェームズとマドゥエケを早々に諦め、グストとサンチョに45分を与えた。
ジョージにも相応のプレータイムを授け、彼は結果で応えた。
とはいえやや自作自演感は否めず、こうなる前になんとかしろというのも事実。
普通に開始からやってほしい。
終わりに
この勝利を無駄にしない。
コメント