プレミアリーグ第6節が昨日行われた。
チェルシーはウェストハムと対戦し、2-1で勝利を収めている。
後半終盤にカイ・ハヴァーツの得点で逆転したが、その直後にウェストハムのマクスウェル・コルネがゴールネットを揺らし同点に。
勝点2を落としたかに見えたがVARが介入し主審のアンディ・マドレーはノーゴールの判定。
九死に一生を得た。
第2節トッテナム戦とは真逆のような展開に、プレミアリーグの主審問題が再燃している。
アンソニー・テイラーやマイク・ディーンに不満を言っていたが、今度はマドレーに救われる形となったチェルシー。
久しぶりに判定が味方をしたような気もする。
相性のいい主審
サッカー界ではしばしば「〇〇チームは主審から嫌われている」とか「あの審判は☓☓に有利な判定ばかりする」などと言われる。
まあどう考えてもプレミアリーグの主審のレベルが低いのはさておき、この手の主張にはどうしても主観が入る。
そこで今回はデータからチェルシーに優しい主審と厳しい主審を調べてみる。
なおデータの公平性を図るため、リーグ戦20試合以上担当した主審10名に絞り、カテゴリーもプレミアリーグのみとした。
データで見るチェルシーと主審
Referee | 試合数 | Win% | Lose% | Draw% | 平均勝点 | 平均イエロー | 平均レッド | 平均イエロー (相手) | 平均レッド (相手) |
マイク・ディーン | 44 | 54.5 | 13.6 | 31.8 | 1.95 | 1.93 | 0.14 | 2.3 | 0.07 |
マーティン・アトキンソン | 41 | 53.7 | 26.8 | 19.5 | 1.8 | 1.59 | 0.05 | 1.68 | 0.1 |
アンドレ・マリナー | 41 | 46.3 | 29.3 | 24.4 | 1.63 | 1.46 | 0.02 | 1.83 | 0.05 |
マイケル・オリバー | 36 | 50 | 22.2 | 27.8 | 1.78 | 1.25 | 0.06 | 1.81 | 0.06 |
アンソニー・テイラー | 34 | 50 | 20.6 | 29.4 | 1.79 | 2.15 | 0.03 | 2.12 | 0.15 |
ジョナサン・モス | 29 | 65.5 | 27.6 | 6.9 | 2.03 | 1.9 | 0.03 | 2.07 | 0.03 |
ケビン・フレンド | 28 | 53.6 | 10.7 | 35.7 | 1.96 | 1.25 | 0 | 2.14 | 0 |
マーク・クラッテンバーグ | 25 | 68 | 12 | 20 | 2.24 | 1.32 | 0.12 | 1.84 | 0.08 |
リー・メーソン | 25 | 56 | 16 | 28 | 1.96 | 1.36 | 0.04 | 2.2 | 0.12 |
クレイグ・ポーソン | 20 | 65 | 30 | 5 | 2 | 1.4 | 0.15 | 2.15 | 0.05 |
勝率/平均勝点
まずは勝率と平均勝点だ。
これは原則比例関係にあることは言うまでもない。
まずはトップ3だ。
- マーク・クラッテンバーグ(68%/2.24)
- ジョナサン・モス(65.5%/2.03)
- クレイグ・ポーソン(65%/2.00)
1位は名物主審だったクラッテンバーグ氏、2位には恰幅の良さを誇るジョナサン・モス氏となった。
クラッテンバーグ氏といえばレスター優勝年、チェルシーvsトッテナムが記憶に残る。
後年に「退場させまくってスパーズサポに言い訳を与えないように自滅させた」と述懐していたが、意外にもチェルシーとの相性は良かったのかもしれない。
なおクラッテンバーグ氏は5年前に、モス氏も昨季でプレミアの舞台から身を引いている。
ちなみにチェルシーが最後に優勝したのがクラッテンバーグ氏最終年でもあるのは、偶然ではないかもしれない(?)
ワースト3を見てみよう。
- アンドレ・マリナー(46.3%/1.63)
- マイケル・オリバー(50%/1.78)
- アンソニー・テイラー(50%/1.79)
ワースト3には渦中のアンソニー・テイラーがランクイン。
残念ながら3名とも現役バリバリである。
勝率5割を切るのはかなりしんどい。
というか勝率って審判で20%も変わるのか?
不穏な空気しか感じない。
イエローカード(相手への提示数ーチェルシーへの提示数)
カードは主審により個人差が出る。
流す主審、厳しく取る主審、カードを好まない主審と様々だ。
ちなみにチェルシーにくれた枚数ではぶっちぎりでマイク・ディーンだった。
しかしそんな数字は「太陽は東から登る」程度の新鮮さしか与えない。
そこで「チェルシーへの提示枚数」と「相手への提示枚数」を比較することにした。
チェルシーに5枚出していても相手に10枚出していればチェルシー寄り、逆にチェルシーに5枚出していて相手に1枚ならば相手寄りとなる。
例えばマイク・ディーンからは44試合で85枚も頂いているわけだが、相手にも101枚出している。
チェルシーどうこうというより単なるヤバい人なんだな、ということになる。
原則チェルシーは立ち位置的に攻勢に回る時間が長いため、相手のカード枚数のほうが多くなると考えてよいだろう。
この数字が大きい方が相手に対して出しているカードのほうが多い、チェルシーに有利となる。
ではトップ3だ。
- ケビン・フレンド(0.89枚)
- リー・メーソン(0.84枚)
- クレイグ・ポーソン(0.75枚)
穏健派のフレンドとリー・メーソンのランクインはある種必然か。
元々イエローの枚数がこの二人は多くない。
荒れ試合にならないということだろう。
さて、気になるのはワースト3だ。
- アンソニー・テイラー(-0.03枚)
- マーティン・アトキンソン(0.09枚)
- ジョナサン・モス(0.17枚)
いやマイナスってマジか。
繰り返すがチェルシーはビッグ6と呼ばれるチームであり、守勢に回る相手の方が多い。
守勢ということはファールを犯す側であり、比例してカードも増える。
しかしテイラーが裁く試合ではチェルシーに出されるカード枚数の方が多いのである。
そんなビックマッチをたくさん担当できるほど優秀ではないはず。
それでマイナス、つまりチェルシーに出しているカードのほうが多いのである。
不思議である。
レッドカード(相手への提示数ーチェルシーへの提示数)
同じようにレッドも見てみよう。
- アンソニー・テイラー(0.12枚)
- リー・メーソン(0.08枚)
- マーティン・アトキンソン(0.05枚)
なんとここでテイラーがまさかの首位!
チェルシーに提示したのは1回、相手には5回も提示している。
ほんとかよ。
ロメロはここに加わらなくてよかったね。
それではワースト3だ。
- クレイグ・ポーソン(-0.1枚)
- マイク・ディーン(-0.07枚)
- マーク・クラッテンバーグ(-0.04枚)
ここまで堅調なデータを見せてきたポーソンがここで登場。
明らかに2人退場させたバーンリー戦が響いている。
ギャリー・ケイヒルとセスク・ファブレガスを退場させた16-17の開幕戦の話である。
コンテがブチギレていたのが懐かしい。
マイク・ディーンについては特にコメントはない。
今季からVAR専任になったが、いきなりレッド判定をミスっていたのでもう色々しんどい。
「主審にレッドか確認させるべきだった…」、VAR担当マイク・ディーンがチェルシーvsトッテナムでのミス認める
まとめ
というわけで今回は極力客観的にデータを分析して相性を測ってみた。
最後で巻き返しを見せたが、やはりアンソニー・テイラーとの相性は悪いと言ってよいだろう。
あまり印象論で語るのは好きではないが、まあなんとなく想定通りだったという方も多いのではないだろうか。
人を印象で判断してはいけません。
ちゃんとデータを持って批判しましょう。
それではまた。
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